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「今まで耐えてきたことが報われたような気がして嬉しい」

2017/01/30, 18:00 - BY RIOT GAMES

LJL

「今まで耐えてきたことが報われたような気がして嬉しい」

敗者から勝者へ…SZ vs 7h

対戦型ゲームの競技シーンでは、戦う者がかならず“勝者”と“敗者”に分けられる。しかもLJLはBo3つまり二本先取制というルール上、引き分けも存在しない。勝つか、負けるか―――そんな究極のプレッシャーのなかで、選手たちは戦っている。しかし、この日対戦したSCARZ(SZ)と7th heaven(7h)は先週、上を目指すには絶対に負けられない相手との対戦でともに苦杯をなめた。

「オーナーをはじめチーム関係者の皆さんの期待に応えられなくて申し訳ないという気持ちと、試合に負けて悔しいという思いがありました」

先週RJに敗北したときの気持ちを、SZのSearchはそう振り返る。そして彼は、自らの心のうちや裏話までも明かしてくれた。

「RJのalleycat選手は元SZの選手だから、こちらのことをよく知っているんです。でもよく知っている選手だからこそ、負けたのは悔しかったですね。それから実は先週、私はマウスのセッティングが上手くいかないままプレイしなければならなかったので、その影響もあったと思います。まあ、これは言い訳になっちゃうんですけどね(苦笑)。あとは、初めてのオフラインということで緊張もあったと思います」

チームプレイ中心の練習で勝利につなげた

先週のチームの敗因については、コーチから次のような指摘とアドバイスを受けたという。

「ArfoadさんとかDay1さんとかは昔からプレイしている選手だし、みんなそれぞれLoLを遅くともシーズン3には始めていたのだから、たとえアマチュアの期間が長かったとしてもベテランと言えるでしょう。それなのにうちのチームが上手くいかなかった理由は、たぶんみんなが個人中心のプレイをしたりSolo Qのような動きをしたりしたからじゃないか、と言われたんです。それでLoLを4、5年やってきて個人としての限界にぶつかったのなら、ここからはチームプレイを中心にどうやって動けば良いか練習していこう、ということになりました」

確かに先週のSZを思い返すと、個人の技術は悪くなかった。しかしチームとしての連携がまだぎこちなく、独り相撲のような印象ではあった。しかしこの日、Round2でSZは見事勝利を手にしたのである。

「今まで耐えてきたことがすべて報われたような気がして、本当に嬉しいです」

Searchはそう言って、満面の笑みを浮かべた。今まで耐えてきたこと―――それは先週の敗北だけではないだろう。おそらく昨年彼が受けたElo Boosting 行為による競技期間4か月の出場停止処分や、前シーズンにチームが5位でPromotion Series行きを余儀なくされたことなども含まれているに違いない。彼のした行為は、プロとして絶対にやってはいけないことだ。それにより多くのファンをがっかりさせ、チームにも多大なる迷惑をかけた。しかし彼はしかるべき制裁を受け、帰ってきたのである。

チャンピオンプールの広さに自信

この日SZが2-1で勝利はしたものの、最後の最後までどちらが勝ってもおかしくないほど、その試合内容は非常に接戦だった。対戦相手となった7hの印象について、Searchに聞いてみた。

「Savage選手とRokenia選手は韓国や中国のリーグに出ていた選手だから上手いだろうなと思っていたけど、いざ戦ってみたら、その二人だけが目立つのではなくみんなが上手くて驚きましたね」

SearchがPlayer Of The Matchに選定された大きな理由は、やはり1戦目の“クアドラキル”だろう。しかも彼は、それを3対1の状況でやり遂げたのだからとんでもない。試合時間31分ごろに起こった集団戦で、Shinmoriの素晴らしいスタンがSearchを含む3選手に決まった。しかしそこからSearchは、3人がかりで襲いかかってきた敵のスキルを次々と避けながらキルを決めていったのである。それ以外の場面でも彼の活躍が目立っており、勝利の立役者であることは間違いない。Search本人は、何が勝因だったと考えているのだろうか。

「チャンピオンプールかな。Shinmori選手は本当に上手くて、私は1戦目にソロキルを取られたりもしたけれど、彼はヴェル=コズやシンドラが中心という情報を持っていました。相手はMIDに対するターゲットバンが4つでしたけど、こちらは1つか2つで済んだので、そこで有利を取ったんじゃないかなと思います。私は昔からあるMIDのチャンピオンなら全部使えるので、それだけバンされてもまだ使えるチャンピオンが残っていて、どのチャンピオンを使えばチームの動きに合うか選べる状況でした」

今年からバン枠が計10個になったことで、チャンピオンプールの広さはこれまで以上に大きな武器であることが証明された。

仲間やファンを大切に思う心優しい性格の持ち主

ここまでとくに触れてこなかったが、Searchは韓国人選手である。去年、LJLCS Spring Splitに参加するため日本へやってきた。見事Promotion Seriesを突破しLJLに昇格したが、先に触れた出場停止処分により、日本に住めなくなった。

「その期間はビザがなかったので、少しずつ行ったり来たりしていました。出られない期間にDay1さんが、お前はCSのときも活躍してたからきっとLJLでも活躍できるよと応援してくれていました」

良い仲間に恵まれてここまで来られたということだろう。SZの公式ツイッターにはよく彼らの写真が掲載されているのだが、本当に仲が良さそうなのが印象的だ。

「オーナーとの約束で、何かミスをしたらみんなで“ドンマイ”や“まだまだ大丈夫”と声をかけ合うようにしているんですが、それはたいていKazuさんと私で言っています。それ以外だと、負けたあと帰り道に歌を一緒に歌おうと私が声をかけたりしました(笑)」

そういえば筆者も、廊下などで彼が歌を口ずさんでいる場面に何度か遭遇した。そんな明るい性格のSearchだが、実は自らの容姿にコンプレックスを抱いているということを赤裸々に語ってくれた。しかしそれさえも、応援してくれるファンのために克服しようとしている。

「私は太っているから、放送に出たくないという気持ちもありました。一度出てしまったので少しは楽になりましたけど、まだ慣れないですね。だけど負けたにもかかわらず応援してくれるファンの方々がいたので、自分がちょっとぐらい恥ずかしくても期待してくれるファンのために一生懸命頑張りたいという気持ちになりました」

ファンを大切に思う気持ちがひしひしと伝わってくる発言が続く。

「私自身もLCKに出場している選手に憧れているので、ファンの皆さんの気持ちが理解できるところがあるんです。私がツイッターやフェイスブックでもらったメッセージに返事をしているのは、もちろん私が好きでやっていることではありますが、ファンのみなさんに喜んでもらえるんじゃないかなと思ってやっている面もあります。みなさんに応援してもらうと“ゴキゲン”になれるので、とても感謝しています」

最後にSearchは、LJLにおける大きな目標を語ってくれた。

「このメンバーで決勝戦に行きたいという気持ちはありますが、現実を見たら正直Promotion Series行きの可能性も覚悟はしています(苦笑)。最悪の場合を考えておけば、問題に直面したときに耐えられると思うので。今はたとえ負けて悔しい思いをしたとしても、それをバネに成長していつか勝ってやろうと思っています。でも、簡単に負ける気はもちろんないですよ!」

夢に向かって突き進むSearch、そしてSZを応援したくなった人も多いのではないだろうか。彼らのこれからの活躍が、非常に楽しみである。

 

ライター:スイニャン