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LJL Week9 : 復活するUSG

2019/03/22, 15:00 - BY RIOT GAMES

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LJL Week9 : 復活するUSG

https://twitter.com/Official_LJL/status/1106493531483303936

 

LJL 2019 Spring Splitも、Week11で決着。先日(2019年3月21日)、Week10が行われたところだが、今回は先週のWeek9について振り返っていく。Week9ではシーズンの終了が近づいてきている以上、プレーオフ進出のために必要な3位争いに注目が集まった。シーズン中盤から調子を上げてきたBurning Core(以下BC)が3位を守り切るのか、シーズンの序盤は好調だったものの、直近5試合の戦績が1勝4敗と苦しい状況のUnsold Stuff Gaming(以下USG)が力を取り戻すのか。

Week9の試合において大きな番狂わせはなかったものの、DetonatioN FocusMe(以下DFM)が2位のCrest Gaming Act(以下CGA)に勝利し、シーズン1位を確定させた。

(※当ランキングはWeek9終了時点のものです)

USGはWeek9が終わったところで、2連勝を決めて3位を奪還した。対するBCはRascal Jester(以下RJ)との試合で敗北を喫し、再びUSGを追う形になった。

それでは、LJL 2019 Spring Split Week9の注目試合を見ていこう。

 

Unsold Stuff Gaming(USG) 対 V3 Esports(V3)

USGは、これまでの調子を取り戻せないでいた。シーズン序盤こそ2位につけていたが、前述したとおり、Week9開始前の直近5試合では1勝4敗とかなり苦しんでいた。しかし、Week9の初戦ではRJに勝利。続く第二試合、USGとは対照的に、ここ最近で調子を上げてきたV3 Esports(以下V3)との試合に臨む。

ドラフトでは、ライズ、ゾーイ、アジールと、V3側がDasher選手を狙うようなバンを行っていく。Dasher選手は今シーズン、ライズを2回、そしてゾーイを4回使っており、アジールはこの直前の第一試合・RJ戦で使用し活躍していた。今期のUSGの勝ち筋としては、Dasherが目覚ましい活躍を見せていた試合が多く、V3としてはDasher選手を抑え込めば勝てるという見込みだったのだろう。

対してUSGは、スレッシュ、ジェイス、リサンドラといった序盤に強力なチャンピオンをバンした。これは「俺たちはこれから、後半に強いレートゲーム構成をやるぞ」という意思を感じるバンになっている。

続くピックフェイズでは、両者のバンからも読み取れる傾向のピックが揃った。V3はMidでルブランをピックし、Dasher選手を抑え込む準備をしていく。対するUSGは、前のRJ戦で見せた、Dasher選手にレートゲームで活躍してもらうための構成を見せる。BotレーンではKeymaker選手のルシアンが序盤の有利を作り、その有利を活かして耐え凌いだあと、Dasher選手の時間が来て試合を決める――この戦略はRJ戦でも上手くハマっていたし、Dasher選手のプレイスキルを考えれば、USGにとって一番マッチした戦略であると言えそうだ。

セカンドピックフェイズでは、面白い駆け引きが見られた。USGはTopとJungleを空けた状態で、エイトロックスをピックしたのだ。エイトロックスは過去apaMen選手が3試合、そしてTussle選手が3試合ピックしている。V3としては、エイトロックスがTopに来るか、それともJungleに来るかというのがわからない状況であり、TopとJungleの2つで有利を作るピックが取れなくなってしまった。

この段階では、V3はまだジャーヴァンⅣをJungleに送るという選択もできたが、どちらにしろチャンピオンを先に見せる必要がある。USG側は「Dasher選手が成長するまで耐える」という戦略のもとにドラフトを進めているので、V3としてはMidレーン以外で序盤から有利を取る必要があった。しかし、USGが最初のピックでルシアンを確保し、ここでエイトロックスをピックしたことにより、V3はMid以外のレーンで序盤の有利を築くことが難しくなってしまった。

 

耐え忍び、次へ繋げる勝利

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V3は序盤からTopのapaMen選手を狙い、まずフィオラの成長を止めるように動いていく。もしapaMen選手のフィオラが育ってしまうと、スプリットプッシュ(ひとりでTopやMidのレーンを押すこと)されたときに、apaMen選手に対してふたりの人員を割く必要が出てくる。そうなってくると、Dasher選手が育つまでの時間を簡単に稼がれてしまううえ、オブジェクトの視界取りや位置取りのところで、USGに有利を取られてしまう。

その点では、V3のPaz選手とSavage選手はapaMen選手のフィオラをガンクしてキルを取ることに成功。一見、V3にとって上手くいっているように見えた。ただ、少し時間がかかりすぎたこと、そしてレーンの主導権は常にapaMen選手が持ち続けていたことで、フィオラの成長を止めきることができなかった。それを受けて、V3は早めの集団戦に切り替えていく必要が出てきた。

さて、集団戦において重要な要素とはなんだろうか? 豊富な範囲ダメージ、広範囲の行動阻害、仕掛け方。それぞれ重要な要素ではあるが、今回の戦いにおいては、キャリーの立ち位置が勝敗を分けたと言えるだろう。

それでは、試合時間25分で起きたこの試合初の集団戦について見ていこう。5対5の集団戦、3000ゴールドほどの差は付いているが、どちらが勝ってもおかしくない状況ではある。しかし結果は、USGが4キルを獲得しバロンも獲得。この集団戦で鍵になったのは、Keymaker選手とDasher選手の位置取りだった。

Tussle選手がPaz選手を捕まえて、集団戦が始まったとき、Keymaker選手はかなり危険なポジションを取っていた。上から敵のキャリーがふたり来る状況で、さらに瞬間火力を持つレク=サイに攻撃される距離だ。だが、この立ち位置こそが、USGに勝利をもたらすことになる。

この時点で、Keymaker選手のルシアンはブラック・クリーバーとキンドルジェムという2つのアイテムを所持しており、大きなダメージを受けても耐えることができた。ここでV3は脅威の評価というところで、目先のルシアンを注目してしまった。Savage選手は距離を詰めるためのEスキル「掘削」をルシアンに対して使ってしまい、さらにはルブランがフラッシュアウトしたルシアン対して、ダメージを与えるためにWの「ディストーション」とRの「再演」というふたつのダメージ源となるスキルを使ってしまった。この段階で、レク=サイとルブランというアサシンふたりのダメージソースがほぼ無くなってしまったのだ。

そこに、USGのチャンピオンの中で一番ダメージが出るDasher選手のコーキが現れる。しかも、USG側のコントロールワードによって視界がないことを確認したうえでだ。視界がない方向からの奇襲攻撃に対しては、かなり反応が難しく、そこに隙が生まれる。Dasher選手は敵の懐に飛び込み、ダメージスキルを使い切ったルブランを即座にキルして、さらには敗走状態のジャーヴァンⅣとシヴィアに対して追撃を仕掛ける。この段階でもう、Dasher選手のコーキ対シヴィア、そしてレクサイとシェン対USGの4人というUSGにとって有利な状況がふたつできあがり、そのまま4キルとバロンを獲得。その後の集団戦でも難なく勝利し、28分という短い試合時間でネクサスを破壊してみせた。

USGはここまで、Dasher選手にゾーイやリサンドラといったチャンピオンを渡して、Dasher選手が活躍できる中盤で試合を動かしていくことが多かった。ただ、Week9の試合は、Dasher選手にアジールやコーキといった終盤に強いレートゲームキャリーを渡し、それをチームが支えるという構成に切り替えてきた。これはWeek7でSengoku Gaming(以下SG)がDFMに対して勝利したときと同じ構成であり、この試合は、もしUSGが決勝に駒を進めたとき、DFMに勝利するための伏線になるかもしれない。

 

DetonatioN FocusMe(DFM) 対 Crest Gaming Act(CGA)

次に、ランキング1位のDFMと2位のCGAという注目の試合を見ていこう。DFMはこの試合に勝利すると16勝1敗となり、ここからすべての試合で負けても16勝5敗。CGAとしては、ここを落とすと残りの試合にすべて勝利しても、15勝6敗となり、1位には届かなかった。

ドラフトはCGAがEvi選手に対するターゲットバンを行い、DFMはそれに対してMidに狙いを定めたバンを行っていく。ヤスオやリサンドラをバンしたところで、Ramune選手が今シーズン2回ピックし得意としているルブランを取ろうとしているという意図が見て取れる。

CGAからすれば、おそらくルブランが取られるのは想定どおり。Midレーンのチャンピオンの相性ではなく、むしろLuna選手とRamune選手のハンドスキルで戦ってくれることを望む――いわゆる“スキルマッチアップ”を意識したドラフトになっている。これは試合の勝敗で言えば一種の賭けとも思えるが、今期CGAにとってDFMと戦えるのはこの試合が最後になる。そして、今期のCGA対DFMの試合においては、ここまで2戦ともMidレーンはCeros選手が出場していた。言うなれば、CGAとしてはRamune選手の力量を測って、プレーオフで勝ち進み決勝戦で戦うときのための材料として、Midレーンをあえてスキルマッチアップにしたように見えた。

そして、それぞれのチャンピオンが出揃う。注目はやはりMidレーンのルブラン対ゾーイというスキルマッチアップであり、TopレーンやBotレーンは、Yutapon選手とEvi選手がそれぞれ自身の得意とするチャンピオンを使っている以上、そこで有利を取っていくのは至難の業と言えそうだ。

 

王者の風格、お手本のような1:3:1スプリット構成

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この試合において、見どころと言えるシーンはほとんど存在しなかった。DFMが完璧なスプリットプッシュ構成で敵を動かし、CGAとしてはまったく集団戦が行えなかったのだ。注目のLuna選手とRamune選手のマッチアップで言えば、CSこそRamune選手が有利を取っていたが、Luna選手もソロキルのチャンスを作れていたので、引き分けといったところだろうか。

そして動画のシーンは、Gaeng選手がゾーイのE「スリープバブル」に当たってしまうも、そこから逃れたあとEvi選手がNap選手に対して1対1を仕掛けたタイミングだ。今回のDFMのチャンピオン構成は、スプリットプッシュ構成をする際に一番警戒すべきキャッチ(敵をひとり捕まえて倒すこと。代表的なスキルだと、ゾーイのE「スリープバブル」などが該当する)に対して、かなり強力なチャンピオンが揃っている。キャッチされる可能性がある危険な場所に入って視界の管理を行う役割はだいたいSupportとJungleだが、Supportのラカンは3回のダッシュスキルを持っていて、スリープバブルが当たってしまっても難なく追撃を回避できる。そしてJungleのノクターンは、スペルシールドを持っているため、不意討ち以外ならスリープバブルは回避できる。

CGAとしての理想的な展開としては、Mid周辺でレーンプッシュと視界管理を行うノクターン、ルシアン、ラカンの3人のうち誰かを捕まえて、タワーに圧力をかけていくことで敵のスプリットプッシャーを守りに向かわせることだった。そうなればDFMに取られてしまったジャングル内の視界も取り戻せるし、その視界を活かして集団戦を仕掛けることもできる。タワーを守る敵に対してゾーイがポーク(遠距離から一方的に体力を削ること)すれば、この状況から活路も見出せる。

ただ、それはドラフトの段階からDFMが対策をしていた。唯一捕まえられそうなルシアンも、クレンズを持ってキャッチの対策をしている。そのため、CGAは多少無理をしてでも集団戦を仕掛けるしか選択肢がなかったのだ。

それに対するDFMの回答が、その後のEvi選手の仕掛けだ。Nap選手が使うエイトロックスは、集団戦で強いチャンピオンではあるが、タンク性能が高くないうえ、接近する手段も少ないため、Rスキルの「ワールドエンダー」による復活と移動速度増加がないと集団戦での性能が大きく落ちてしまう。この仕掛けは間接的に、CGAの集団戦という選択肢を潰したのだ。

DFMはここまでドラフトからすべて計画のうえで、Gaeng選手がキャッチを誘い、敵の位置がすべてわかった瞬間にEvi選手は1対1を仕掛け、エイトロックスのワールドエンダーを使わせた。たった20秒ほどで、CGAが勝つための選択肢をふたつ落とさせるというお手本のようなスプリットプッシュ戦略の試合運びを見せ、この試合は隙を見せないままにDFMが勝利した。

 

Week11の注目はUSG対DFM

今週はWeek10、Week11と連続して開催される週であり、Week10が昨日の3月21日、Week11が本日3月22日という運びになっている。

LJL 2019 Spring Splitも最終週を終え、昨日のWeek10の結果を受けてプレーオフに進出する3チームは確定した。そんななか、Week11において注目の試合としては、USG対DFMの試合だ。Week9、Week10とDFMに勝つための改革を行ってきたUSGがDFMに勝利するのか、はたまたDFMが王者の風格を見せつけるのか。また、Week7でDFMに勝利したSG対DFMの試合も行われる。Week11も、最後まで見逃せない試合が続きそうだ。

なお、4月6日および13日に開催されるLJL 2019 Spring Split、FinalおよびSemi Finalのチケットの販売が開始されている。会場はヨシモト∞ホール。チケットの販売ページはこちらから確認が可能だ。

 

 

 

ライター:つきひ