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LJL Week7 : 来たれ、戦国時代

2019/03/08, 17:00 - BY RIOT GAMES

LJL Week7 : 来たれ、戦国時代

LJL 2019 Spring Splitは、ついに後半戦のWeek7に突入した。全チームの総当たりは完了し、順位の変動も、ある程度落ち着いてきた。その中で絶対的王者として君臨しているのがDetonatioN FocusMe(以下DFM)だ。なんと開幕から負けなしの11連勝を達成し、完璧な戦績でここまで来た。

そして迎えたWeek7。LJLの主役としてここまで注目を集めてきたDFMだったが、ついに彼らからスポットライトを奪うチームが出てきた。それは、今期からLJLに新規参入を決めた、新設チームSengoku Gaming(以下SG)だ。

Week7の終了時点で、DFMもついに敗北を喫した。それに続くCrest Gaming Act(以下CGA)は、DFMに敗れはしたものの堅実に勝ち星を重ねている。一時期は2位争いをしていたRascal Jester(以下RJ)は、4連敗で急ブレーキといった印象だ。

DFMとCGAが1位と2位を維持して安定してきたところで、注目すべきはやはりUnsold Stuff Gaming(以下USG)とBurning Core(以下BC)による3位争いだろう。LJLでは、国際大会に繋がる切符を争うためのプレーオフに進出できるのが3位までのチームとなっている。このため、3位と4位では意味がまったく違ってくる。後半戦に入ったここからは、両チームにとって1試合も落とせない熾烈な戦いが繰り広げられるはずだ。

そして、DFMから勝ち星を掴んだSGは、Week7で2勝しRJと勝ち星で並んだ。まだプレーオフを狙える位置を維持しており、SGがDFMに勝利するようなジャイアントキリングも含めて、後半戦もLJLは予測できない展開が続くだろう。

それでは、LJL 2019 Spring Split Week7の注目試合を見ていこう。

 

Sengoku Gaming(SG) 対 DetonatioN FocusMe(DFM)

それでは、今期ここまでのLJLで一番の驚きを与えてくれた、Week7 SG対DFMの試合を見ていこう。

SGはまず、イレリアやヨリックといったスプリットプッシャー(TopやBotのレーンを一人で押し上げ、集団戦にはあまり参加しないチャンピオンのこと)をバンしていく。

ピックフェイズでは、SGはジェイスを最初に選択する。ジェイスは遠隔攻撃を持つチャンピオンということもあり、レーンで有利を掴みやすく、タワー破壊能力と遠くからの攻撃スキルを兼ね備えたチャンピオンだ。弱点としては逃走能力が低く、1対1は得意なもののガンクを受けたときの対抗手段が少ないことが挙げられる。

そしてDFMはCeros選手が得意とするハイマーディンガーと、現在サポートの中でもっとも強力だと言われているガリオをピック。それに対してSGは、カリスタとスレッシュというレーンで強力なコンビを選択。DFMは、ADCにエズリアルを選択した。

ここまでのピックでは、SG側は序盤が強力なチャンピオンを選択しているという印象を受ける。そしてDFM側は、Ceros選手が得意とするハイマーディンガーでMidは安定、Botはエズリアルとガリオという後半に重きを置いたチャンピオンピックだ。

その後のピックは、SGがグラガスとコーキを選択。DFMはジャーヴァンⅣとカミールを選択した。ジャーヴァンⅣとカミールはガリオと合わせて、キャッチ(少人数の敵を捕まえて倒し、人数差を作る戦略)が得意な構成だ。ただ、範囲攻撃や継続的なダメージというところで、DFMはかなり苦しい構成になっている。集団戦になればSGの方が有利になる可能性が高いだろう。

そして試合は、かなりゆったりとしたペースで進んでいった。SGとしてはキャリーチャンピオンのコーキとカリスタにゴールドを集めつつ、オブジェクトを狙ってDFMに食らいついていく。DFMはスプリットプッシャーのカミールにゴールドを集め、試合をむりやり動かそうとしていく。

 

勝敗を分けたバロンの駆け引き

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Reiya選手は、驚異的なパフォーマンスを見せていたEvi選手のカミールに対してなんとか耐えつつ、慎重に試合を進めていた。ただし、Evi選手のスプリットプッシュに対して、耐えるだけでは試合の有利は掴めないことをSGは理解していた。

ならば、どうやって試合を動かしていくのか。それがバロンナッシャーを始めるという選択だった。ただ、これはいつでもバロンを始めればいいというものではなく、タイミングが重要になる。Evi選手がレーンを押し込んでいて、DFMがバロン周辺の視界を失っていて、さらにはキャリーがパワースパイクを迎えるタイミングで、Taka選手のコーキが次のWスキル「ワルキューレ機行」を強化する固有スキルの特注品を持っているとき。これらが全て重なったのが、SGのバロンを始めたタイミングだった。

ギリギリのタイミングで気付いたDFMのSteal選手がバロンを奪おうとして、ジャーヴァンⅣのRスキル「決戦場」を使ってバロンに近寄る。しかし、バロンはギリギリのところでSmile選手が獲得し、DFMにとって最悪の展開を生んでしまった。

なぜかと言えば、DFMの集団戦におけるもっとも大切なスキルはジャーヴァンⅣのRスキル「決戦場」とガリオのRスキル「英雄降臨」だった。Steal選手がバロンを奪おうと、移動スキルとして決戦場を使い、ガリオを使うGaeng選手が合わせて英雄降臨を使ってしまったことにより、DFMにとってはもう集団戦で戦えるツールが無くなってしまったのだ。

ここでDFMがバロンを取れていれば、まだ五分五分の戦闘ができたはずだ。ただ、ここでバロンを取られて、かつ重要なスキルを二つ落としてしまったDFMは、育っているEvi選手を中心にキャリーを狙って倒すしかなくなった。

実際、Evi選手にはそれができるほどの技量がある。だが、それに対してSGは、さらに上を行くプレーを見せた。まず、Taka選手がEvi選手に捕まる寸前に、特注品を使ったW「ワルキューレ機行」でEvi選手に大ダメージと行動阻害を与えていく。そこにRaina選手のスレッシュがフックを当て、逃げようとするEvi選手をEのフレイ(日本語名は「絶望の鎖」だが、キャスター陣はよく英名の“Flay”と呼ぶ)で止めて逃げられないような状況を作った。そこに合わせようとしたSteal選手を、Reiya選手が狙撃してキルする。そしてTaka選手は、狙われつつもギリギリのところでEvi選手を倒す。最後にはOdduGi選手とRaina選手がフラッシュインから3人を打ち上げ、DFMを圧倒し、3キルとバロンを無傷で手に入れた。

この集団戦は、SGにとってタイミングも完璧だった。そして、バロンを獲得するところまでも理想的な展開だった。そこからも素晴らしいプレイを見せ続けた。

かたや開幕から11連勝中の、前期王者DFM。かたや今期からLJLに新規参入し、3勝8敗と苦しんでいるSG。そんな下馬評など関係ないと言うように、SGは完璧なゲームプランとプレイで、LJLの伝説を打ち砕き、勝利を掴み取った。

 

Burning Core(BC) 対 V3 Esports(V3)

Week7の試合で、もっとも大きな逆転劇が起きたのが、このBC対V3 Esports(以下V3)の試合だ。ここ5戦で3勝2敗と調子を上げてきているBCは、ようやくプレーオフ進出を狙える位置にまで漕ぎつけた。ここからプレーオフに進出するには、上位陣以外に対して負けないことが絶対条件になってくる。

ドラフトは、BCがルシアンを最初に確保し、Yutorimoyashi選手を中心として試合を動かしていくという構成だ。対するV3は、エコーやケネンといったキャリーに対してプレッシャーの高いチャンピオンをピックし、Yutorimoyashi選手とRoki選手を抑え込むような構成になっている。

試合は、Paz選手が素晴らしい動きを見せ続け、V3が大きな有利を掴んでいく。そこから集団戦も勝利し、試合時間25分にはバロンも獲得。一時は8000ゴールド近くの有利を掴んで、もはやV3が勝利を掴んだかと思われた。

 

勝利のための、二つの下準備

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試合はV3が6000ゴールド以上の差を付けていた、32分前後で大きく動いた。バロンを始めたV3に対して、BCは集団戦を仕掛けていく。ここで、BCはふたつの下準備をしていた。

まずは試合時間30分30秒ごろに、Once選手がPaz選手を捕まえ、Mocha選手、Cogcog選手のプレッシャーも利用してPaz選手のフラッシュを落とさせた。ケネンというチャンピオンは、集団戦において、敵のバックラインに入るためのフラッシュが非常に重要になる。もしフラッシュがなければ、周囲に大ダメージと行動阻害を与えるRスキル「雷撃の大嵐」も不発に終わる可能性が高いのだ。

そして、もうひとつの準備は集団戦の直前に、Yutorimoyashi選手が大きくAce選手のエコーの体力を削り、フラッシュとRスキル「クロノブレイク」を落とさせたことだ。このふたつが、直後の集団戦におけるV3にとって致命打となる。

V3の構成は、どのチャンピオンも射程が長くはないものの、敵集団に入りこめれば大きな範囲ダメージを与えられるような構成になっていた。ただ、この集団戦では、Paz選手にはフラッシュがなく、Ace選手はクロノブレイクがないためにバックラインに飛び込むことができなかった。そんな中、Once選手が後ろからPaz選手に向かって、むりやりとも思えるエンゲージを行う。このときのために、Once選手は一切の攻撃アイテムを積まず、タンクビルドを選択したのだろうと思わせるほど、Once選手はまったく倒れない。すべての攻撃スキルを受けきり、味方がPaz選手を倒しきるまで耐え続けたのだ。

この集団戦をほぼ無傷で終えて、V3のキーマンであるPaz選手を倒したBCは、そのままバロンを獲得。驚くべきことに、あれほど攻撃を受けていたはずのOnce選手だが、バロン開始時にもまだ体力が半分以上残っていた。

ふたつの下準備がこの集団戦の勝利とバロン獲得に繋がり、そしてBCの勝利に繋がった。これがすべてBCの思惑通りであったならば、ここからもBCは勝ち星を重ねていくだろう。

 

Week8は3月10日13時から開始、注目はSG対CGAの試合

Week8は3月10日の日曜日に開催される。注目は、SG対CGAの試合と、RJ対DFMの試合だ。DFMに勝利したSGは、好調で2位を維持し続けるCGAとの試合になる。SGのチームとしての完成度は日を重ねるごとに上がっており、CGAにも驚きの勝利を飾って、LJLが“戦国”時代に突入する可能性は大いにあるだろう。

そしてRJ対DFMでは、RJの“4のジンクス”が試されるだろう。RJは初戦で勝利したあと、4連敗し、そして4連勝、その後また4連敗という「4の波」の中にいる。仮にこのDFMとの試合の前に行われるV3戦で勝利の波を掴んだなら、DFMを相手にも好勝負を見せてくれるような気がしている。

 

試合はヨシモト∞ホールで行われる。チケットの販売ページはこちらから確認が可能だ。

 

 

 

ライター:つきひ