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LJL Week3 : LJLに舞い戻った古兵

2019/02/07, 17:00 - BY RIOT GAMES

LJL Week3 : LJLに舞い戻った古兵

今期のLJLは、新規加入のプレイヤーが活躍する舞台――Week2はそのような印象を受けたが、Week3は一転、今期からプロシーンに戻ってきた古兵(ふるつわもの)たちがLJLを盛り上げた。

いくらかの期間を空けて、LJLに復帰するというプレイヤーはそう珍しくない。ただ、今期LJLに電撃復帰したRascal Jester(以下RJ)のADCと、AXIZ(以下AXZ)のADCは、どちらもかなり異色の経歴だと言えるだろう。RJのScottyk選手は、2015年以来のLJL復帰となり、復帰までの間は『ハースストーン』などのカードゲームで名を馳せていたプレイヤーだし、AXZのDay1選手については周知のとおり、前期までLJLの解説者を務めていた。LoLのプロシーンにおいて、このような例はかなり珍しいものだ。

Week3では、その古兵の活躍により、見えかけていた勢力図はまた読めないものになってきた。

Week2まで苦戦を強いられていたAXZも、ついにWINの欄に正の数が入った。RJも1勝4敗と苦しい展開だったが、2連勝を飾り上位陣に仲間入りだ。

今期の首位争いはDetonatioN FocusMe(以下、DFM)とUnsold Staff Gaming(以下、USG)、さらにCrest Gaming Act(以下、CGA)の三すくみになるかと思われたが、AXZがUSG相手に番狂わせを起こしたことにより、DFMが一つ抜ける形となった。

それでは、LJL 2019 Spring SplitのWeek3の試合を見ていこう。

 

Burning Core(BC) 対 Rascal Jester(RJ)

Burning Core(以下BC)は、TopのCogcog選手とADCのYutorimoyashi選手がインフルエンザでダウンし、急遽Broooock選手とYuhi選手が出場するなど、トラブルが起きるなかの試合となった。対するRJは、Week2終了時点で全チーム中もっとも多い4敗を喫していた。この試合の前に戦ったV3 Esportsとの試合では勝利したが、上位に食い込むためには、これ以上負けを重ねるわけにはいかない。

ドラフトでは、どちらのチームもADC以外から試合を動かすような構成を作ってきた。BANから見ると、BCはTopレーンの有利を作りたいという意思が見て取れるが、RJはカシオペア、ルシアンなどをBANしてBotレーンの主導権を相手に握らせたくないように見える。

試合はBCのMocha選手が素晴らしいプレイでファーストブラッドをADCのYuhi選手にプレゼントし、BC有利の展開が続いていく。特にTopレーンでは、Cogcog選手の欠場により急遽出場したBroooock選手が、本業はMidレーンであるものの、対面と2レベル差を付けるほどの有利を獲得していた。

ピンチをチャンスに変える、2対5の危機的状況からの逆転劇

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試合時間29分。RJは、BCがドラゴンを始めたタイミングでバロンを開始する。ただし、RJのこの選択は失敗に終わり、結果的に3キルを献上する形になってしまった。これで万事休すかと思えば、この試合の主役、RJのScottyk選手とWyvern選手が2対5の状況下でBCのバロン獲得を阻止しようとする。まずはScottyk選手が敵に近づき、カイ=サに大きなダメージを与えていく。そのうえでWyvern選手のグラガスがバロンをスティールしようと接近することで、バロンスティールを阻止するために待機していたパイクと、体力は低いものの接近して戦えれば体力を回復することができるカ=ジックスとエイトロックスを引き付けた。

この後、Scottyk選手はエイトロックスとカイ=サをキルしてこの試合の主役となるわけだが、このシーンにおいてWyvern選手は、陰の立役者と言えるだろう。Wyvern選手は敵を3人引き付けたうえで、敵のカ=ジックスとエイトロックスに回復されないようにフラッシュでほんの少しだけ距離を取り、カ=ジックスを返り討ちにしたのだ。カ=ジックスが倒されると、BC側にはスマイトがないので、バロンの取り合いになった場合、不利になる可能性が高い。実際はスマイトをカ=ジックスに対して使っているので、イーブンな状況ではあるのだが、その判断を戦闘中にするのはかなり難しく、BCはここでコミュニケーションエラーが発生してしまった。ライズを扱うRoki選手がWyvern選手のバロンスティールを止めようとするのに対して、エイトロックスを扱うBroooock選手とカイ=サを扱うYuhi選手はバロンを取り切る判断をしてしまったのだ。

比較的体力が残っていたRoki選手がWyvern選手を狙いにいったことにより、あとはScottyk選手が”バロンピット内に残った敵にスキルを当てる”だけで良かった。当然、それが簡単ではないことは誰もが知っていることだが、2対5という数的不利と、バロンがもう少しで敵に取られてしまうという心理的な不利という2つのピンチを抱えるなかで、そのプレイをするのはもっと難しいはずだ。

この危機的状況からの逆転劇は、Scottyk選手がこれまでの経験の中で培ってきた強いメンタルが生み出したもので、それは「当たり前の敗北」を「奇跡的な勝利」に変えていくのだ。


AXIZ(AXZ) 対 Unsold Stuff Gaming(USG)

ここまでの試合でAXZは、4連敗を喫していて、まだ勝ち星が得られていないというかなり厳しい結果になっていた。しかし、AXZにとっての一番の鬼門は間違いなくこのWeek3だろう。何といっても、AXZがWeek3で戦う相手は、CGAとUSG、そしてDFMという首位争いを繰り広げている3チームだからだ。

USGにとっては、勝利すればDFMを超える勝利数になり首位に躍り出るという大事な試合だ。現在首位のDFMはまだ無敗であり、首位を目指すなら当然、どの試合も落とすことはできない。

ドラフトはAXZが面白い手札を見せてきた。一般的にMidやTopで使われるリサンドラを早めにピックし、リサンドラに対してレーンで有利を取れるゾーイをUSGに選ばせたのだ。USGにとっては、好調のDasher選手を育てて、Midレーンから試合を作っていこうという考えだったのだろう。しかし、AXZはリサンドラをサポートで使用し、Midにはゾーイに対して序盤からプレッシャーをかけられるルブランをピックした。

このドラフトではAXZがDasher選手を止めるための戦略を見せ、優位に立ったように見えたが、試合は43分までUSGが大きなゴールドの有利を持った状態で進んでいく。ただし、序盤はMid周辺でキルは起こらず、Dasher選手には十分にプレッシャーを与えられたようだ。そういう意味では、AXZにとってプラン通りの展開だったとも言える。

運も味方に、勝利の鍵はチームの連携と思い切った戦略

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42分前後、試合は大きく動き始める。エルダードラゴンが出現するタイミングでドラゴンピット前に構えていたAXZに対して、USGは視界を確保しようと近づいてくる。そこでAXZのiSeNN選手がUSGにエンゲージしていく。

AXZの構成はあまり集団戦が得意なものではないので、このエンゲージの狙いは敵の体力を減らしてゾーニングをすることだった。その点において、Day1選手のシヴィアとGariaru選手のルブランは完璧なプレイをした。自身は一切のダメージを受けず、相手に大きなダメージを与えたのだ。

大きなダメージを受けたUSGとしては、最も危険なエンゲージ要素であるリサンドラとアーゴットのアルティメットが残っていることで、エルダードラゴンに近寄ることができなくなってしまった。AXZがこのエルダードラゴンを悠々と獲得できたのは、2人のダメージキャリーが生み出した体力の有利によるものだ。

ただ、エルダードラゴンのバフだけならまだ試合は決まらなかったはずだ。ここでAXZは、エルダーを取ったあとにバロンにラッシュする。AXZがバロンを始めたことに、USGが気付くのが遅れたのは、ふたつの要因がある。USGは、ドラゴン前の視界合戦でワードを使い切っていたので、一度リコールする必要があった。それに加えて、AXZはクラウドドレイクのバフをふたつとエルダードラゴンのバフを獲得していたので、非戦闘時の移動速度が約20%も上昇していた。それにより、AXZのバロンまでの到着時間が大幅に短縮され、USGにしてみると、気付いた頃には終わっていた、というわけだ。このバロンラッシュは、LoLにおける数少ないランダム要素も味方につけて成功したものだった。

 

Week4は2月9日15時から開始、注目はAXZとUSGの2度目の対決

USGを相手に初勝利を掴んだAXZだが、なんとWeek4では早速USGとの2度目の対戦がある。これもBo1ならではの面白い部分だが、もし次もAXZが勝つようなことがあれば、もうAXZの力を疑うものはいなくなるだろう。また、RJにとってはCGAとUSGとの試合が控えている。ここで勝利すれば、RJも上位争いに本格的に加わることになるはずだ。Week4も、LJLに戻ってきた古兵が貫禄のプレイを見せるのか。それとも、若き新星が力を見せつけるのか。彼らのプレーを、その目に焼き付けよう。

試合はヨシモト∞ホールで行われる。チケットの販売ページはこちらから



ライター:つきひ