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名物キャスターコンビが考えるLJLとeスポーツの未来

2018/09/12, 19:00 - BY RIOT GAMES

LJL

名物キャスターコンビが考えるLJLとeスポーツの未来

 eスポーツ元年が進化してeスポーツバブルがやってきた――。

 2018年は、そんな話が聞こえはじめる年になりました。その流れをさかのぼって行くと、2014年のLeague of Legend Japan League、通称LJL発足は確実に大きなエポックの1つでした。選手、コーチを合わせて10人近い人数を抱えたチームが6個、すべてプロ契約というのは2014年時点でeスポーツ界でまさに独走状態だったと言えるでしょう。

 それから4年、多くのeスポーツプロリーグや大会が誕生しました。しかし日々飛び込んでくるビッグニュースとは裏腹に、どんな未来へ向かってこの世界が進んでいるのかが見えないという感覚も広がっているのではないでしょうか。

 そこで、LJLの「顔」としてシーンの先頭を走ってきたキャスターeyesさんとRevolさんがLJLやeスポーツの成長曲線と将来をどう見ているのかを聞きにいってきました。

 

 

LJLを日本一にする、という目標。

――2人がLJLでキャスターを務めるようになって、どのくらい経つんでしたっけ?

eyes「一緒にやるようになったのが2014年からなので、4年ぐらいかな?」

Revol「ですね。僕はこんなに長く続けるとは思ってなかったです。もっと実況や解説をする人も増えてると思ってたけど、案外独占してしまったなというか。でも最近は逆に、ここまで来たらコミュニティにいらないって言われるまで頑張ろうと思ってます」
 

――4年前を振り返って、成長の速度や方向性は想像に比べてどうですか。

eyes「LJLを日本一のeスポーツプロリーグにするという目標で始めて、いま振り返ると一定の実績は出せたと思うけど、もっとでかくするチャンスがあったかもしれないとも思います。海外に比べれば会場や演出で遅れてるのは確かだし、アナリストデスクとか本当はやりたいことはまだ色々ありますから」

Revol「日本でeスポーツがどうなるか、っていうのをあまり想像してなかったのが正直なところですね。スタジオ観戦が今年から可能になったり達成したことも多いけど、一方で会場のサイズ自体は去年より小さくなったり、一進一退かなと」

 

 

Revol「マニアックなファンの目を信じてます」

――LoL以外のタイトルも含めて、最近は国内で多くのプロリーグができていますよね。その動きについてはどういう風に見てますか?

Revol「実は僕自身はLoL以外のタイトルにそこまで興味がなくて、ニュースとしては知ってますけどあまり競争相手だとは思ってません。ゲームによって演出も文化も違うので、国内のほかのゲームよりは海外のLoLシーンを参考にすることが多いですね。最近は、LoL大学生リーグのLeagueUとかが気になります。コミュニティとしてのパワーと勢いが凄くて羨ましいというか、追い上げられてる感覚があります」

eyes「他のゲームでも、プロリーグができるのは嬉しいです。もともと実況をはじめたのも日本にeスポーツっていう文化を広めたかったからでもあったし、LJLが何かのきっかけになったり参考にしてもらってる部分があったら最高です」
 

――数年間先頭を走ってきた2人の経験値はものすごく貴重だと思うんですが、ほかのリーグに何かアドバイスをするとしたらなんて声をかけますか。

eyes「誰が主役かを忘れないでほしいですね。もちろん、主役は選手だってことです。スポンサーやパブリッシャーも大事だけど、誰のための舞台なのかとえばやっぱり選手。そういう意味では、実況と解説が放送に映ったりステージに上がる必要があるのかどうかをいつも悩んでいます」

Revol「放送中に機材トラブルなんかで試合が止まったりした時に、カメラを実況解説席に切り替えないでほしいっていうリクエストをしたんですよね。その時選手がどんな表情をしてるかをファンは見たいじゃないですか。しゃべって時間をつなぐのは僕らの仕事だけど、映像は会場のままにしておいてほしい」
 

――実況解説という仕事の位置づけとして興味深いです。

Revol「僕はLJLを舞台だと思っていて、選手が役者、ファンが観客、運営が裏方。その中で僕の解説の仕事は、選手にスポットライトを当てる照明さん。だからあまり表には出ない方がいいと思ってます」
 

――キャスターとしての自己顕示欲、みたいなものはありませんか?

Revol「もちろんフリーランスなのでないことはないんですけど、その点についてはファンの目を信じています。『あの照明いいな』とか『今日は音響よかったけど誰?』みたいな、マニアックなところを見てる人って絶対いるんですよ。そもそも昔は自分がそういう見方をするファンでしたし(笑)。だから無理に前に出なくても、ちゃんとやっていれば評価はついてくると思ってます」

eyes「キャスターが裏方だっていうのはRevolくんと同意見ですね。それに加えて実況は『ファンの1人として一緒に叫ぶ』っていう役目もあると思っていて、じっくり聞いてもらうとわかるんですけど、実は選手のことばっかりしゃべってます。なので裏方とファンの中間っていう感じですね」

 

 

eyes「試合の日は1日で体重が3kg減るんですよ」

――最近は連続で試合がある日なんかは、キャスターも交代制になることが増えました。LJL全体のためには絶対プラスだと思いつつ、これまたフリーランスの立場として葛藤があったりもするんじゃないですか?

Revol「僕は割とない方ですね。スケジュールがハードだと体調も崩れるし、今年はそれで1回休んでしまいましたし。eyesさんはどうです?」

eyes「うーん複雑は複雑ですよ。でも実況も解説も人によって味が変わるから、いろんなタイプがいた方がいいのは確かです。一辺倒だとやっぱり飽きるので。

あとRevolくんが言う通り、体力的な限界はありますね。試合数が増えると酸素が足りなくなってくるというか、クオリティはどうしても落ちる。実況って意外とハードで、自分はLJLのシーズンが始まると体重が減るんですよ。1日で3kg、シーズン終わるとそれ以上減ります。あまりに減りすぎて、Revolくんにごはんに連れてかれた時期もあります(笑)」
 

――たしかに放送でも、eyesさんの細さを心配するコメント結構ありますよね(笑)。あとこれはぜひ聞いてみたかったんですが、放送中って誰に向かって喋ってるんですか? 想定しているファン像とかコミュニティ像みたいなものがあれば。

Revol「僕はeyesさん1人に向かってしゃべるようにしてます。コミュニティっていうもやっとしたイメージに向かって言葉を投げるのは難しいので、eyesさんのイメージを『LoLに詳しいeyesさん』『最近はじめたeyesさん』って切り替えながらやってますね」

eyes「誰かに向かって話すというよりは、Revolくんとトークしてそれを聞いてもらうっていう考え方ですね。4年やってくる中でLJLを見るファンのレベルが上がってるのは反応やコメントから感じてて、トークの中身もそれに応じて変わってきました。基本的にはLoLをプレーしてる人たちをイメージしながら、でも最近見るようになってくれた人もいるはずだし、と幅は意識してます」

 

 

4年後のビジョンを聞くと意外にも……。

――LJLファンの中心はやっぱりLoLのプレーヤーになるんですか? 「ゲーム」と「eスポーツ」の関係性は結構微妙なところがあるなぁと思っていまして……。

eyes「LJLを見てくれる人はもちろん全員仲間なんですけど、順番としてはLoLというゲームが先にあってその中にプロシーンがあるという形だと思うので、今のところコアがプレーヤーなのは確かですね」

Revol「野球やサッカーと違うのはLoLというゲーム自体が存続する必要があることで、まずはゲームそのものを盛り上げるプレーヤーが大切です。なのでLJLでは、カープ女子のような形での拡大は起こりづらいのかなと思いますね」
 

――最後にLJLと4年間並走してきた2人に、4年後の自分とシーンについての予想や希望をお聞きしたいです。

Revol「LJLが1つのブランドとして確立して、LoL以外のゲームも含めたeスポーツプラットフォームみたいになってたらいいですよね。曜日ごとに違うタイトルの試合をしていて、その中で僕自身も裏方だったりもしかしたらキャスターだったりで何かできることがあれば嬉しいです」

Eyes「4年後……。自分が実況をしてるかどうか、もっと言えば実況をしていたいのか、してていいのかを根本から迷ってるのが正直なところです。今eスポーツの前線にいる人に共通の悩みだと思うんですけど、自分たちが今座ってる席を誰か新しい人に空けた方がいいのか、いつ空けるのか、じゃあ実況をやめたとして次に何をするのか、っていうのを模索してる段階です。次の世代につなぐのも含めて、自分にできることがあるといいな、と」

 

 話を聞いている中で、eスポーツの先頭を走ってきた2人には、やはりその場所からしか見えないものが見えていたのだなと改めて感じました。選手ファーストという言葉の意味も、キャスターとして必然的に目立ってしまうことの葛藤も、eスポーツと一括りにされる別タイトル同士の距離感も、なんとなく知っていた気になっていたけれど、2人の話を聞くと全然違った見え方をしてきます。同時に、彼らもまたeスポーツという言葉や文化の将来について現在進行形で迷っていることも伝わってきます。

 そんな2人が登場する2018年のLJL最終戦は、今週末の開催です。eスポーツに注目するすべての人に、ぜひ彼らの仕事ぶりと、彼らがスポットライトを当てる選手たちの姿を見てほしいと思います。


 

インタビュアー:八木葱