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IWCQ五日目、強者の貫禄

2016/08/30, 11:46 - BY RIOT GAMES

IWCQ

IWCQ五日目、強者の貫禄

立ちはだかる無敗の壁

「自分たちは判断をはやくして勝ちを急いで、焦っていた。ゆっくりやれば負けないだろうという自信があったので、ゲーム展開もゆっくり進めていきました」

試合前に流れたインタビューでMeronの語った言葉だ。

初戦を勝ち星で飾ったかと思えば、2日目と3日目で手痛い敗北を喫し、彼らは自分たちの現状となすべきことについて話し合いを重ねてきた。慣れない異国の地、初めてLJLの看板を背負って戦う公式戦。緊張の中で1日目に勝ててしまったこともあり、もっと勝たなければと肩に力が入ってしまっていたのだろう。

そしてチームとしての動きを見直した4日目、RPGは再び勝利を手にした。それはこれまで私たちが観てきたRPGの戦い方であり、ようやくいつも通りの彼らが戻ってきたようだ。

しかし5日目、立ちはだかるのはLyon Gaming。ここまで無敗で勝ち抜いてきた今大会の目玉チームだ。なんとか食らいつこうと激しく抵抗したものの、RPGは強者の前に膝をつくことになった。


揺らがぬ精神力と柔軟性に裏打ちされた強さ

LYNはWhitelotusの得意とするルシアンにブラウムとリサンドラを合わせ、ジャングルに置いたニダリーで攪乱しつつADCが火力を出せる環境を作ろうというピックを見せた。対するRPGはTussleお得意のリー・シンに今強力なジンと、これまで何度も活躍してきた組み合わせだ。

しかしRPGのシンドラ、ジンと機動力のないキャリーに対して、LYNが最後にピックしたリサンドラの影響力が大きなものとなりそうだ。ブラウムも少数戦が得意であり、RPGとしては序盤の戦闘を避けながら集団戦の時間を迎えたいところだが、果たしてどうなるだろうか。

ところで、リー・シンはほかのチャンピオンに比べ、終盤で失速してしまいがちという欠点があるのをご存知だろうか。しかしその分機動力と火力に優れ、中盤までに有利を築き上げることが得意だ。これまで何度もリー・シンをプレイしてきたTussleはその強みをよく理解し、不意をついて序盤から有利を築こうとレッドバフを狩った直後にMIDへギャンクを仕掛けた。それはTussleがラプターを狩るだろうと予測したseiya(リサンドラ)がワードを置きに近寄ってきたタイミングであり、まさに不意打ち。いきなりファーストブラッドのアナウンスがサモナーズリフトに流れることになった。

先手をとられたLYNは、焦ることなく戦略を変更する。Oddie(ニダリー)にカウンタージャングルよりもギャンクを重視させ、とられた有利を取り返そうという動きに切り替えた。狙うはMID、機動力のないRoki(シンドラ)をギャンク合わせの得意なリサンドラで固め、有利を作りつつRPGのキャリーを潰してしまおうという一挙両得の策だ。

まずはお返しとばかりにOddieがMIDへギャンクし、1キル獲得。これでMIDはイーブンに戻る。さらにMIDギャンクを仕掛けたOddieが今度はそのままBOTギャンクへ走る。Arce(ブラウム)の強力なスロウとスタンを用いたギャンク合わせは強力であり、Meron(ジン)を倒してLYNがキルを重ねる。

そしてレベル6になったseiyaがすぐさま仕掛け、対象を氷漬けにするリサンドラのアルティメット「フローズングレイブ」によって囚われたRokiにOddieとArceのギャンクが刺さる。キルを稼いでLYNがさらに有利を伸ばしていく展開に。

決定的なのが8分、TussleのギャンクのセットアップからRPGが仕掛けようとしたシーンだ。OddieもBOTにギャンクを仕掛けようと狙い、タイミングがかみ合って3対3に持ち込まれてしまう。本来ならTOPのPaz(シェン)がアルティメットで駆けつけられるためRPG有利なのだが、LYNの素早すぎる仕掛けの判断とそろったフォーカスによってPazが駆けつける前に戦闘が終わってしまう。

ルシアンとニダリーのバーストダメージに加えてブラウムのスタンが合わさり、一方的に3キルを奪われてしまう結果に。LYNはドラゴンまで確保し、この時点で3000ゴールドもの差が開いてしまった。

ここからOddieはカウンタージャングルに動くようになる。大きな有利をつくり、危険な戦闘をせずともマップをコントロールすることでオブジェクトをとれる状況になったからだ。戦って返り討ちになるリスクを避け、欲しいオブジェクト周辺にプレッシャーをかけながら次々に駒を進めるLYN。RPGは対応に動くものの、後手にまわり足並みをそろえることもままならない。

TOPとBOTのタワーを破壊したLYNは入れ代わり立ち代わりMIDを攻めはじめ、Whitelotus(ルシアン)とArceのコンビからタワーを守ろうとしていたRokiが一瞬の油断でデスしてしまう。Rokiの死を無駄にしまいと戦闘をしかけるRPGだが、それこそがLYNの罠だった。囲い込むように集団戦を展開され、誰一人逃げ延びることもできず全滅に追い込まれる。Rokiが復活していたためアナウンスは鳴らなかったものの、実質エースを奪われてしまいMIDのファーストタワーとBOTのセカンドタワーを破壊される。

ここまでなんと21分、LYNは戦略の調整力と試合展開の速度で群を抜き、その能力を用いてこのIWCQを無敗で勝ち上がってきたのだ。LYNはその後TOP側ジャングルに侵入して視界を確保し、偵察しにきたTussleを倒してバロンを獲得。それぞれが有利を得ているため、集団戦に持ち込まれないよう広く展開して各レーンのタワーを狙い、防衛しようと動くRPGにプレッシャーをかけながら1本、また1本とネクサスへの距離を縮める。

仕掛けなければただタワーを明け渡すのみ。目の前に立ちはだかる壁に戦闘をしかけるRPGだったが、LYNはそれに報いるように全力でRPGを迎え撃つ。飛び込んできたTussleをキルし、seiyaはTussleに蹴り飛ばされたことを利用して敵の正面で自身にアルティメットを発動。氷の墓標を前にRPGは撤退を余儀なくされ、LYNがそこを追撃する。

5日目、この試合で勝ち名乗りを挙げたのはLYNとなった。

世界との差

RPGらしい戦い方といえば、序盤チャンスがあればキルを狙いつつも堅実にファームをし、中盤からローテーションと集団戦を重視していく流れだろう。TussleとRokiの活躍により爆発力を得たRPGだが、そのチームの特色は変わっていない。

しかし世界のシーンではもっと早い試合展開がよく見られる。レーナーがレーンに縛られることなくマップを動きまわり、ひとたび有利ができればそれを広げるために畳みかけていく。1手が次の1手を呼び、その様はまるで詰将棋のようだ。

無論、それがすべてではない。チームとして序盤を安定させ、戦える時間がきてから戦うのは戦略のひとつだ。それを行うためには常に敵の位置に気を配り、どっしりと落ち着いて構える必要がある。しかしやはり慣れない環境の影響が大きいのか、今のRPGはどこか浮足立っているように思える。

落ち着きは、経験を重ねることで手に入る部分も大きい。LYNは前回のIWCIで1-6という敗北を喫し、それからチームの立て直しを重ねていまの落ち着きと力強さを手に入れたのだろう。RPGもこの経験を糧に、大きく成長してくれるはずだ。


IWCQ 5日目の全試合結果