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翔べ フェニックス(不死鳥)よ 翔べ―FPX、世界王座戴冠 - By Kien Lam

2019/11/13, 18:40 - BY RIOT GAMES

WORLDS 2019

翔べ フェニックス(不死鳥)よ 翔べ―FPX、世界王座戴冠 - By Kien Lam

Rookieでも、Uziでも、Fakerでも、Capsでもなかった。それはDoinbだった。すべての巨星が落ちても、LPLの「スーパーキャリー」とFunPlus Phoenixは立っていた。今年メンバー5人が揃ったばかりのFPXはヨーロッパのスーパーチームG2 Esportsに3-0で圧勝し、LPLのサモナーズカップ防衛を果たした。

 

2019年初旬、世界中の強豪チームはスターを集めて立て直しを図っていた。その中でもひときわ勢いづいていたのがヨーロッパのG2だった。LECではSpring/Summer Splitを連覇し、台北ではMSI優勝も果たした。Worlds開幕前、多くの人が優勝候補大本命と評価していたのも当然の戦績と言える。FPX戦の前にもG2の勝利を予想したアナリストやファンは多かった。「本当の」Finalは準決勝のSKT戦で終わっていると言わんばかりに。

 

一方のFPXは、2018年に結成された若いチームで初年度はパッとしなかった。しかし続くオフシーズン、チームは2000年生まれの若きジャングラーTianと、Worlds未経験のLPLベテランDoinbを獲得する。FPXの優勝は、Worldsのステージを夢見る若きプレイヤー全員に向けたエールであり、地域リーグでくすぶる名声なきベテランに向けた開戦の号令だ。

 

Final終了後、Doinbはこう言っている。「僕はようやく証明できたと思っています。僕みたいなミッドレーナーでも優勝できるんだと。これまで何度となく、僕のようなスタイルでプレイするミッドレーナーにWorlds優勝は無理だと言われ続けてきました。でも、僕でも優勝できた」

 

そう、DoinbのプレイスタイルはG2にも(そしてそれまでの対戦チームにも)止められなかった。Game 1はシリーズ最大の接戦だったが、同時にそれ以降の勝負の行方を強く暗示するものでもあった。スプリットプッシュのプレッシャーで主導権を握ろうとするG2と、そうさせないFPX。Capsがピックしたミッドパイクはスプリットプッシュの生み出すカオスに乗じてピックオフを生み出すための策だったが、序盤にDoinbのノーチラスにプレッシャーをかけられなかった。中盤までは互角の状態が続いていたが、ドラゴン周辺でFPXジャングラーTianのリー・シンが凄まじいプレイで3キルを生み出したことでゲームは決まった。

 

以後のG2は流れを取り返すためにインヒビターに達する勢いでスプリットプッシュを敢行したが、FPXはSKTと違いプレッシャーに屈しなかった。FPXはG2のプレッシャーに素早く対応して逆にG2を追い詰め、インヒビターを次々と破壊。最後の集団戦でもLWXの終盤戦シヴィアの圧倒的火力がG2をなぎ倒し、シリーズを1-0とした。

 

その後の2ゲームでもLWXは凄まじい成績を出し続け、3ゲームを通して0デスというパーフェクトスコアを達成。振り返って見れば、世界水準でもキル数の多いスタイルを誇るG2が一度もLWXをキルできなかったという結果になった。対するG2のボットレーナーPerkzは自らのチャンピオンプールに苦しみ、くっきりと明暗が分かれた。1年を通じポジションやチャンピオンに囚われることなくフレックスピックを繰り出してきたPerkzが、カイ=サとザヤを封じられたことに苦しめられたのだ。Game 2はG2が完敗を喫した。この試合ではFPXが序盤に築いた大きなリードを活かし、バロン獲得のトーナメント最速記録も樹立している。ほぼバロンの出現直後のことだった。

 

自信家揃いで知られるG2はその後も抗戦を試みるが、成果にはつながらない。チームの雰囲気は良かった。自陣ネクサスが破壊されていくさなかにも笑顔が見えるほどだった。しかしシリーズの流れは引き戻せない。このシリーズではいつものように「素の実力」に頼って戦うこともできなかった。FPXは純粋にチームとして実力が上だったのだ。完勝に終わったGame 2を見たアナリストとファンは、Game 3開始前から3-0の決着を口にしはじめていた。

 

Game 3、G2はこのままシーズンを終えてなるかとミッドに(Fnaticがよく使っていた)ベイガーをピックするが、これも彼らの救世主とはならなかった。このピックで敗北したことは、G2だけでなくヨーロッパ全体の敗北を象徴していたようにすら思える。この試合でもDoinbはミッドでタンク系チャンピオンのガリオをピックして序盤戦を支配する。一時は獲得タワープレート数でG2に10枚以上の差をつけていたほどだ。FPXはこの有利をスノーボールさせ、G2にほとんど手出しさせることなくバロンを獲得。そこからG2は切り返すチャンスを見つけることができず、そのままゲームセットとなった。

 

このようにして、FPXは世界王者となった。世界最大・最強地域が生んだ世界最高のチームだ。これでLPL代表は2年連続Worlds Final出場のみならず、2年連続で対戦相手の心をへし折る完勝を達成した。今年のWorldsにおけるFPXのプレイ内容は大いに祝福されるべきものである。無名プレイヤーばかりで構成されたチームがこれほどの活躍を見せたのはまったくの想定外だったと言っていい。しかも彼らは、昨年のIGのようにスーパースターが個人技でキャリーするスタイルではなく、チームがひとつの生物のように連携するスタイルで勝利を掴んだのだ。

 

ほぼ完璧と言っていい成績(Summer Split開幕以来、シリーズでは1度しか敗北していない)でWorldsに参戦し、快勝の末に頂点に立ったFPXの存在はどのチームにも勝算があることを我々に示している。彼らの優勝は、正しい環境さえ与えられればスターは誰でも輝けるのだと証明してくれた。そして同時に、リーグ・オブ・レジェンドは10周年を迎えてなお新たな才能を開花させる場所であると示してくれた。フェニックス(不死鳥)は再生の象徴だ。FunPlus PhoeniXは再生を願うすべての者にとっての象徴となるだろう。

   ライター:Kien Lam

Kien LamはLoLesportsのコンテンツプロデューサーです。彼のすばらしい(ひどい?)ジョークと解説は上記のTwitterで楽しめます。