ONにすることにより試合結果を表示することができます。

Worlds グループステージ直前:グループにまつわる10のこと - By Kien Lam

2019/10/11, 20:00 - BY RIOT GAMES

WORLDS

Worlds グループステージ直前:グループにまつわる10のこと - By Kien Lam

Worlds、感謝祭、クリスマス。年末までの日々は毎年この順番でやってくる。いずれも大切な人たちにガッカリさせられる特別行事だ。そして今年も大いに盛り上がったWorldsプレイインステージが終わり、グループステージが始まろうとしている。毎年我々を驚かせてくれるあの季節がやって来たのだ。長年活躍を続ける猛者たちが今年も顔を揃えているが、テーマソング通りに「不死鳥」になれるのも、サモナーズカップを手にするのも1チームのみだ。それではグループステージ直前、グループにまつわる10のことをスタートしよう。

 

1. 北アメリカに何を期待するか

まずは「何も期待するな」と言っておこう。期待というのは傷つきたがりのすることだ。だが結局のところそれは我々全員のことでもある。そうでなければどうして毎年Worldsを観戦するだろう?北アメリカにとって期待すべき内容と期待できる内容がこれほど近い年は久しくなかった。先に述べたとおり我々はTeam Liquidのグループ勝ち抜けを期待すべきであり、実現できなければ失望しかない。ただしその先はくじ運次第となる。たとえば昨年のWorlds準々決勝でKT RolsterがInvictus Gamingに負けたのは別に恥ずかしいことではない。Worldsのトップ2チームが不運にも早い段階で当たってしまっただけなのだから。ではCloud9とClutchは?Cloud9には大いに期待するべきだと個人的には思うが、だからといってグループ敗退しても酷い結果だとも思わない。大惨敗はしないでくれと願う人もいるだろうが、結局彼らが今のメンバーでWorldsに出場するのは今回が初めてなのだ。今年も「なんだかんだ言ってCloud9はグループを勝ち抜けるんだよな」とそこかしこで言われるだろうが、彼らも毎年楽に勝ち抜けているわけではない。Cloud9は非常に良いチームだし、強みとなる点もあると思うが、グループAは極めて厳しいグループであることもまた事実だ。私としてはSvenskerenが世界クラスのジャングラー相手にNA LCS Summer Splitで見せたような活躍を見せられるか注目している。過去のWorldsでは良いプレイができなかった時もあったが、ここでしっかりと活躍できれば並み居る強豪でも切り伏せられるだろう。Clutch…?Worlds優勝を期待すべきだ。それ以外の結果なら大失態だ。

 

2. 韓国勢の復権?

NFLと聞くと、毎年ニューイングランド・ペイトリオッツが優勝しているイメージの人も多いのではないか。だがそんな彼らも実は2005~2015年までの期間は一度たりともスーパーボウル優勝を経験していない。私と同年代の人には信じられない話だろう。私はSKTを見ると、心のどこかで「そろそろもう一度優勝する頃かな」と思ってしまう。一方で韓国は今スランプ中なのかも、とも思う。おそらく実際にそうなのだろう。だがこれまでを振り返った上で考えてみてほしい。たとえばSKTが向こう3年のWorldsを優勝したとしたらあなたは驚くだろうか?私は驚かない。実際にそうなったら、2018年はスランプ、あるいは例外的な年だったと思うのかもしれない。優勝候補に名前が挙がるチームとそれ以外のチームを見ると、やはり今年のWorldsは興味深いなと感じる。この6年で韓国が築き上げた「無敵のオーラ」はあっさりと崩壊した。国際大会で3回不振が続いただけでオーラは霧散してしまった。もちろん数年後に2019年を振り返った時、韓国の強さを疑った我々はバカにされるかもしれない。あなたが韓国地域のファンであれば、その胸中にはまだプライドがあるだろう。今年こそは世界を黙らせて欲しい、韓国勢の優勝で「夢を見ている」人たちの目を覚まして欲しいという願望も。

 

3. AはAnime(アニメ)のA

グループAにはドラゴン、雲、グリフィン、サムライがいる。これはつまり、このグループが秋クールアニメのヒット作候補ということだ。G2はMSIで優勝し、続くLEC Summer Splitでも快進撃を続けた(彼らとまともな勝負が期待できたチームはFnaticだけだった)。彼らこそがWorlds優勝候補だという評価も多いが、その不安定さのためか(今日のCapsはClaps=拍手喝采バージョンかCraps=ダメダメバージョンか?)彼らの言葉もやや歯切れが悪い。またCloud9は毎年どうにかしてグループステージを勝ち抜けることで知られる(Worlds台本作家の趣味かもしれない)。LCKからは大注目の─そして直前にコーチを解任したことで話題を集めた─Griffinが、LMSからはプレイインスステージを難なく勝ち上がってきたHong Kong Attitudeが参戦する。GriffinとCloud9はそれぞれ先月の地域プレイオフ決勝で準優勝に終わっているため「挑戦者」として大会に臨むことになるが、ノックアウトステージ進出の可否は直接対決の結果で決まることになりそうだ。個人的な予想になるが、本グループは多少「やらかし」てもG2が勝ち、ロゴデザインの格好良さではHong Kong Attitudeが勝利を収めると考えている。要注目ポジションはLCS MVPのSvenskeren、LEC MVPのJankos、昨年以来世界最高のジャングラーと評されているTarzanの揃ったジャングルだ。要するに、ここで敗退したらジャングラーを責めればいい。実にシンプルである。

 

4. 史上最高の楽勝グループ?

このグループについて語る前に、Doinbの飼っているがリチウム電池駆動っぽい姿をしていることを記しておきたい。世界一カワイイ雰囲気と動く剥製っぽい雰囲気が同居したそのルックス。要するに、守ってあげたい存在だ。さて本題に入ろう。DoinbはFunPlus Phoenixの柱であり、今年のWorldsでも注目を集めるだろうプレイヤーだ。アグレッシブかつ型にはまらないプレイスタイルで知られるLPLだが、Doinbはそんなリーグの特色を発揮する原動力となっている。最初のミニオンウェーブ到着前にロームする(他のレーンへ移動して仕掛ける)ことも想定しておこう(彼ならばバンピック中からローム開始しかねない)。LPLの第1シードチームであるFunPlus Phoenixは、圧倒的なグループ首位候補であり有力な大会優勝候補でもある。主だった実績を持たない同グループの他チームはくじ運が悪かったと感じているかもしれない。だがどのチームが2位抜けしてもおかしくない混戦は、圧倒的強豪2チームがいる場合よりもずっと見応えがある。Leviが戻ったGAMはVCS Summer Splitを圧勝しており、国際的注目を集めた2017年の「魔法」の再来を期待する向きも多い。今年の彼らは更なる飛翔を遂げ、強豪の仲間入りを果たすことができるだろうか。CTBC J TeamもまたLMSの第1シードであり、このグループには最も多くの地域第1シードが集まることになっている。現在のLMSは国際的評価が芳しくないが、そこは地域王者としてのプライドを懸けた奮戦を期待したい。本グループ最後に紹介するSplyceは強者LEC地域の有望株だ。個人的にはGAMとJ TeamよりもSplyceが勝ち抜ける確率のほうが高いと見ているが、それ故にSplyceとこの2チームの試合は各地域の相対的な実力を測る目安となる。両チームがSplyceに苦戦するようであれば、ヨーロッパの二強であるFnaticとG2にとっては安心材料となるはずだ。

 

5. LMSのラストラン

ここ数年、国際大会で圧倒的不振が続くLMS。昨年のWorldsグループステージでも地域の勝敗合計で3-16という散々な結果を残している。Flash Wolvesもついに墜ち、我々の知るLMSは終焉を迎えようとしている。この大会はLMSがとっておきの花火を打ち上げる最後のチャンスだ。すべてには終わりと始まるがあると考えるなら(つまりあなたが物語好きであるなら)、今年のWorldsではLMS勢を応援し、Worlds優勝を願おう。リーグ・オブ・レジェンドの歴史を長きにわたり彩ってきたひとつの「章」を美しく閉じるために。物語ははるか昔2012年のWorlds優勝から始まったが、今のLMS代表チームには失う物などほとんどない。期待も大きくない。もう「韓国勢の天敵」でもないし、そもそも最近では韓国チームがラスボス扱いされていない。Karsa、Maple、SwordArT…「ウルフ」たちは姿を消した。牙を、すべてを失ったのだ。それはつまり、今回のWorldsが彼らのすべてを決めるということでもある。ここから先は登るだけだ。LMSが最後の舞台で最高の獲物を仕留めることを期待したい。

 

6. CはClutchのC

グループCは個人的に不運だと思う。有力候補のSK telecom T1、Fnatic、Royal Never Give Upが揃いも揃って…Clutch Gamingと同じグループに入ってしまったのだから。抽選である以上仕方がないが、この3チームは大会トップ5に入ると言ってもいいはずだ。抽選結果が少しでも違っていれば、3チームすべてが準決勝まで勝ち上がっていた可能性すらある。ただ各チームにとっては不幸であるかもしれないが、観戦する我々としては生き残りを懸けたハイレベルな試合がグループ初戦から見られるというのは幸運というべきだろう。ノックアウトステージを見据えている有力チームは往々にしてグループステージでの立ち上がりが遅いものだが、このグループでそんな悠長なことを言っていたら、この3チームとClutchといえども危険だ。Royal Never Give UpとFnaticは共に不振だったSpring Splitからチームを立て直してSummer SplitプレイオフでFinal(決勝)進出を果たし、昨年の苦い思い出を乗り越えての王座奪取に燃えている。SKTはご存知の通り昨年Worlds出場を逃しているが、「王者が認める王者」という評価は未だに健在であり、期待の大きさはWorlds出場チーム中最大だろう。このグループはClutch(この部分は本当にそうだ)も含めてボットレーンに自信たっぷりの実力派が勢揃いしているので、試合では特に注目していきたい。

 

7. ツイてない?

多くのTeam Liquidファンにとって、Damwonが同じグループに抽選された直後のリアクションは「なんてツイてないんだ」だったのではないだろうか。だがDamwonがこの2年間国際大会で優勝していない地域から来た実績のない第3シードチームであることを忘れてはいけない(北アメリカはそもそも優勝経験自体ないが)。もちろんルーキーチームながら非常に優れたプレイヤーは揃っているが、LCK Summer Splitの最終盤には苦戦してもいる。北アメリカ史上最強にしてMSI準優勝チームであるTeam LiquidがDamwonに勝てないのなら、勝ち進めたとしてもどのみち希望はないのだ。確かにInvictus Gamingも怖いが、そのイメージは今年のMSIグループステージやWorlds 2018のものだ。今年のLPL Summer Splitでは苦戦し続けており、かつての強さは見えない。もちろん我々が無意識のうちにInvictus Gamingと過去の絶対的王者を比較してしまっている可能性もあるが。総括すると、このグループはTeam Liquidがついに勝ち抜けられる組み合わせだと言える。1位通過でなければ大落胆だと言ってもいい。とはいえInvictus Gamingがかつての強さを取り戻す可能性もあるし、過去のWorldsでは韓国のルーキーチームがかなり先まで勝ち進んだ実例もある。ahqは明らかに厳しいが、ベテラントップレーナーのZivが道を切り開くこともありえる。というわけで改めて総括すると…Team Liquidは敗色濃厚だ。

 

8. 王の帰還

Fakerはデビュー以来2回しかWorlds出場を逃しておらず、出場した年は必ずFinal(決勝)に進出しているので、彼がWorlds Final(決勝)の舞台に立たなかったのは2回だけだ。そして出場した年は毎回10試合以上を勝っている。世界中の強豪だけが出場するWorldsで通算勝率75%。しかも出場を逃した2回はどちらも韓国開催の年だったから、厳密に、物理的に言えばWorlds開催地域には毎年いたことになる。出場を逃してもFakerはそこにいた。なんてことだ。今年5月のMSIにおけるSKTは最終的に優勝したG2相手にフルセットの接戦を戦った末に敗退した。Final(決勝)があまりに一方的な内容であったせいで今年のG2は優勝以外ありえないと思い込んでしまった人は多いが、SKTが世界でも稀な、G2とBO5でいい勝負を演じられるチームであるということは忘れてはならないだろう。今回はWorlds史上最も厳しいグループに入ってしまったが、ファンが寄せる期待の大きさは凄まじい。思うに、Fakerのプレイには何か魔法めいたところがある。まるでサモナーズリフトを魔法で包み込むかのように、我々が「現実的」と思うことを超えてくる。彼が出場する年はWorldsの「らしさ」がぐっと高まる。最後に優勝してからもう3年、「飢えた神」ほど恐ろしいものが他にあるだろうか。

 

9. G2という愉悦

この項は私がどの地域も公平に評していることのアリバイとして記す(注:原文著者は北アメリカ在住)。さっそく美辞麗句を並べ、あいつもヨーロッパを褒めていると皆さんに思い込ませていくことにしよう…。などと言うまでもなく、私がWorlds開幕前にパワーランキングを作っていたらおそらくG2を1位に置いていた。これは持論だが、地域をまたいでチームの実力を評価する時、目で見た内容は大して役に立たない。つまりMSIで優勝し、さらに地元地域のSummer Splitで優勝したチームは私にとって自動的にWorldsの優勝候補ということになる。もちろんMSIにおけるG2の勝ち方は決して圧倒的とは言えないものだったが、調子が良い時の彼らは世界中のどんなチームにも勝ちうるという証明にはなった(ただしInvictus Gamingを除く)。しかもG2は世界有数の「観戦して楽しい」チームだ。独創的なチャンピオンピックをし、それを機能させる実力がある。バンピックという点においては最も対策が立てづらいチームだろう。チーム全員がポケットピック(個人的に特に得意とするチャンピオン)を持つだけでなく、それを別のポジションで使うのだから。また対応の遅れが敗退に直結するWorldsではメタへの順応が巧みである点も極めて重要なポイントになる。見ていてこれほど楽しいチームは久しくなかったので、世界クラスのチーム相手に全力で戦う彼らを見るのが今から楽しみでならない。

 

10. 終わりに

Worldsが始まると、毎年のように「Xmithieは本当に良いプレイヤーか?」だとか「中国チームがスクリム(模擬戦)の内容をリークしている?」といった話題が盛り上がるが、我々は別にネガティブな話題に終止する必要はない。Worldsはリーグ・オブ・レジェンド世界最強チームを祝福するイベントであるべきなのだ。ここ数ヶ月TFT漬けのTFT野郎だった私も今シーズンのソロキューは一応200試合プレイしているし、皆さんの中にはもっとずっとプレイしている人も多いだろう。あるいは私よりソロキューを回していない人やARAM/TFT専の人もいるかもしれない。何が言いたいかというと、Worldsに出場しているのはリーグ・オブ・レジェンド最高峰プレイヤー達であり、世界16位のチームだってとんでもなく凄いということだ。私は、コミュニティ全体がプレイに対する批判と同じくらい熱烈に出場プレイヤー達の偉業を祝福することを切に願いたい。感情を抑えこむ必要などないが、時には自分や周囲の人にポジティブな影響を与えることを喋るのも良いんじゃないか。そういうことだ。NA vs EUのネタも一旦休憩し、団結し、真の敵と向き合おうではないか。真の敵…アイバーンをピックするジャングラーと。ヤツが再び日の目を見ることが訪れぬことを願って。アーメン。

   ライター:Kien Lam

Kien LamはLoLesportsのコンテンツプロデューサーです。彼のすばらしい(ひどい?)ジョークと解説は上記のTwitterで楽しめます。