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Week8:魔の「パッチ9.14」

2019/08/01, 18:30 - BY RIOT GAMES

LJL

Week8:魔の「パッチ9.14」

みなさま、今期二度目となるスーパーウィークをご覧いただきありがとうございます。

梅雨が開けていきなり夏がやってきたような有様の中、2日連続で試合を行う選手たちの姿を見ていると、一見細く見えるプレイヤーにも実は身体的タフさがあるんだなと感じました。体が貧弱なばかりでは、長時間頭をフル回転させながら試合を行うこともできないでしょう。選手たちの新たな魅力を知った次第です。

もちろん「タフさ」が服を着て歩いているような選手(やはり筋肉は正義なのでしょうか)もいらっしゃいますが、彼らは彼らで見ていて安心感があるのでやはり眼福です。

そしてまだ試合をご覧になっていない方、本当に熱い2日間(これまで熱くなかった週なんてないんですけども)でありましたので、飛ばし飛ばしでもいいのでぜひ試合をご覧ください。私は不覚にも、観戦しながら声をあげてしまったシーンが多々ございました。

さて、Week8が終わった段階でのランキングボードをお見せしましょう。

Crest Gaming Act(以下CGA)は不動の1位です。前シーズンのDFMを彷彿とさせるスコアでここまで勝ち続けてきました。

それに続くのはDetonatioN FocusMe(以下DFM)。序盤こそ少し怪しかったものの、すぐにチーム内で修正を行ったのか安定感が帰ってきた印象があります。

しかしながら前シーズンでは優勝を争った因縁の相手、Unsold Stuff Gaming(以下USG)との試合では、Dasher選手に過去の雪辱を果たすかのように大暴れされ、まさかの敗北。王者の威光に、少しばかりの翳りが見られるでしょうか。

そして意外や意外、これまでずっと上位をキープし、安定した試合運びをしていたV3 Esports(以下V3)がWeek8にして突然の2連敗を喫してしまいました。

パッチ9.14(LoLには定期的に「パッチ」と呼ばれる変更が行われる仕組みがあり、チャンピオンのバランス調整やスキルなどの更新が行われています)では突如としてゲーム内に多くの変更が加わり、それについていけなかった面もあるかもしれません。

むしろ「いかにしてこのパッチに適応していくか」が問われるほど大きくゲームバランスが変わったため、プロたちは変化への適応に腐心し新たなメタ(そのパッチにおいて、強いチャンピオンとアイテムの組み合わせ)を探し、生み出したりとシーズン半ばにもかかわらず大わらわだったようです。

これまであまり見なかったチャンピオンが、あまり見なかった場所に飛び出してくるなど、ある意味では面白い状況になりました。

今週は試合で出てきたチャンピオンの変更に触れつつ、負けてばかりで黙ってられるかと奮起したAXIZ(以下AXZ)とUSGが見せてくれた輝きを振り返りましょう。

 

我らがヨードルガンナー、ソロレーンに現る

これはパッチ9.14が適用される前からではありますが、我らがヨードルガンナー「トリスターナ」が近頃ソロレーンに出没しているようです(「ヨードル」はLoLに登場する一種族)。

理由はいろいろとあるようですが、主に彼女がレベルによって射程が伸びるという、レベリングが重要なパッシブスキルを持っていることと、Wスキル「ロケットジャンプ」とアルティメットスキル「バスターショット」によって危険な状態からの脱出が可能なことが大きいようです。

もちろん相手を見ながらのピックになるため難しいバンピックを行うことにはなりますが、それに見合ったリターンを得られるチャンピオンです。

というわけで、今回はAXZのTopレーナーであるuinyan選手が彼女をピックしました。対するはレーンから勝ちに行くことが得意であり、これまで何度もソロキルを起こして試合をキャリーした経験のあるPaz選手のエイトロックスです。

果たしてどうなってしまうのか、試合の火ぶたが切って落とされました。

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試合開始4分、いきなりSmile選手がTopレーンにガンクを仕掛けます。

上記のシーンで見事なのは、エイトロックスがスキルを使う準備動作中に飛び込むことで退避の動作を許さなかったことです。確実にガンクを決めるためにSmile選手は躊躇なくフラッシュを使い、uinyan選手に1キルを献上しました。

序盤は射程距離が短いため慎重にファーム(ミニオンの隊列を倒し、経験値を稼ぐこと)をしなければならないトリスターナですが、この1キルによって辛い時間が短縮され、彼女のスノーボール(転がる雪玉が大きくなっていくように、どんどん育っていくこと)への道が明るいものとなりました。

これによってTopレーンで優位を作ったuinyan選手は、Paz選手にハラス(攻撃して体力を削るなど、嫌がらせをすること)を行いながらレーンを支配していったのです。

 

バフによって力を得た「影の暗殺者」アカリ

序盤こそトリスターナにレーンの有利を握らせることに成功したものの、AXZはいまひとつ「どのオブジェクトを」「どのように狙っていくのか」という明確な動きを見せることができないまま試合時間が過ぎていきます。

構成としては1:3:1(TopレーンとBotレーンに1対1で強いチャンピオンを送り込み、Midレーンには3人を残して、すべてのレーンを押し上げていく戦術)であるにもかかわらず、機動力があまりないジンクスを抱えているAXZは、ジリジリとした時間を過ごす羽目に陥りました。

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その窮地を救ったのがGariaru選手のアカリです。

姿を隠してMidレーンの横で隙を伺い、エズリアルがブリンクを使ったのを見た瞬間に単身突撃。アルティメットスキル「完遂」の一段目でスタンをかけて即座にダメージを出し、Yutorimoyashi選手を戦線に参加できない状況に追い込みます。

そしてADCがいなければ怖くないと、一気にAXZ全体が前のめりに。

Gariaru選手に続いてなだれ込んできたAXZによって、V3は3キルをもぎ取られる結果に。そのままバロンに繋げたAXZは、大きな優位を築きました。

ここでひとつ大きいのは、やはりアカリのバフの影響でしょう。アカリはWスキル「黄昏の帳」の煙幕によって姿を隠せていたチャンピオンですが、9.14からは視界をとるスキルによってその姿を捉えられるようになってしまい、さらに、アルティメットスキルのクールダウンも延長されました。

しかしそのかわり、彼女のQスキル「五連苦無」は魔力を反映したダメージの倍率が上昇。「黄昏の帳」の煙幕に隠れられる時間が短くなり信頼性が落ちた代わりに、より多くのダメージを与えることのできるチャンピオンになったのです。アルティメットで飛び込んだあと、ほとんど通常攻撃だけでYutoriMoyashi選手の体力を大きく削ったGariaru選手は、逃げた彼を深追いせず今度は近くにいたPaz選手やBaby選手、viviD選手に対して「五連苦無」とパッシブによって強化された通常攻撃を繰り出し体力を削ります。たまらず撤退しようとする彼らを、今度はDay1選手用いるジンクスが長射程の爆発する通常攻撃「フィッシュボーン」で一掃! 素晴らしいチームワークを見せました。

 

最後はチーム一丸となって

その後、またしても試合はにらみ合いの状態に戻ります。ドラゴンやバロンを狙う小競り合いが起きるもののお互い決定打に欠き、相手の隙を伺う神経の張りつめるような時間が流れました。

そしてその均衡を破って先に仕掛けたのは、V3でした。

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Lago選手の操るタム・ケンチが少しばかり甘いポジショニングをしていたところを捕まえたviviD選手が、タム・ケンチの持つシールド「ゆるゆる皮膜」などお構いなしにアルティメットスキルで彼を倒したところから集団戦が始まります。AXZとしては、最初から一人を欠いた状態です。

しかしその状況から、AXZは反転してみせました。まずはLago選手を追おうとしてジンクスのEスキル「パックンチョッパー(踏んだ相手を捕まえる罠スキルです)」を踏んでしまっていたBaby選手を討ち取ります。

さらに無防備に前のめりになっていたAce選手を続けてキル! この頃にはトリスターナもジンクスも装備がそろい、長射程高火力の化け物となっていたことに加えて、フロントラインであるPaz選手を欠いた状態では集団戦の形をうまく作ることができず、先にキルをとったはずのV3が逆に追い込まれる展開に。

そこに飛び込んでくるのが、先ほど活躍していたGariaru選手です。アカリの機動力を使ってYutoriMoyashi選手のエズリアルを追い込み、逃さずキルにまでつなげます!

ここでエースを獲得したAXZは、テレポートをもっていたジンクスをすぐさまTopレーンに送り込み、自分たちはあとから急いで合流。無事にネクサスを破壊し、勝者となりました。

 

DetonatioN FocusMe vs Unsold Stuff Gaming

軽々しく「因縁の対決」などと呼んでいいのか悩ましいところですが、LJLがRiot公認リーグとなってから幾たびこの戦いを目にしたでしょうか。

DFMにとってUSGは何をしてくるかわからない油断ならない相手であり、USGにとってのDFMはずっと目の上のたんこぶであり続けるチームです。

しかしながら今シーズンのUSGは調子が低迷中。apaMEN選手の不在が原因なのか、ほかにも原因があるのかはわかりませんが、いまひとつ動きがかみ合っていない印象です。

そんなUSGがDFMに対してどう出るのかというのが、個人的に注目していたポイントだったのですが、彼らはこれまでと変わることなくナーやユーミなど、USGらしいピックを行いました。

対するDFMは、以前猛威をふるっていたタム・ケンチをEvi選手にピックさせます。通称エビ・ケンチです。

このタム・ケンチも9.14の影響を受けたチャンピオンであり、ソロレーンで活躍するには厳しい変更が加わったのではないかと噂されていました。ざっくり変更点をチェックしても、スキルでパッシブ「舌慣らし」のスタックがたまらなくなる、ダメージを全体的に落とされる、肝心かなめの削られた体力をシールドにするスキル「ゆるゆる皮膜」も、シールドにできる体力の割合が減りました。はたしてこの選択が吉と出るか凶と出るか、試合のゴングが鳴り響きます。

 

自らの手で敗北の思い出を雪ぐDasher選手

前シーズンもLJLを見てくださっていた方なら、USGがかなり優位に運んでいた試合をDFMにひっくり返された「あの試合」をお忘れの方はいないでしょうもちろんプロたちは真剣勝負の世界に生きています。同情など必要のないことでしょうが、それでも今シーズン、この日のDasher選手の姿に胸を熱くすることくらいは、許されてもいいのではないでしょうか。

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Dasher選手はLJLきってのハイパーキャリーMidレーナーであり、その巧緻は向かうところ敵なしです。まるで人の死が見えると言わんばかりのキルラインの見極めに、そこに躊躇なく飛び込んでいける勇気。キャリーとして必要な資質をすべて備えた、まぎれもないUSGの「エース」です。

そんな彼のブラッドミアはチャピオンの性能をギリギリまで酷使します。自分の体を使って敵を釣り上げ、味方が集まってきて戦闘できる状態になるのを待ってからアルティメットスキル「呪血の渦」を放ち、Wスキル「紅血の沼」にもぐりこんで追撃を回避。「呪血の渦」の終了時効果で体力を回復してから再度前線に戻り、死にかけの敵にフラッシュインでとどめを刺します。

ここまでの動きをゆっくり見てみると、自分の体力がどこでどのようになるのかわかって動いているようにすら思えます。

 

チームの一員として

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粘りを見せるDFMに対し、USGはひたすら隙を伺いながら一触即発の間合いを維持します。手に汗握る膠着状態が続く中、ついにUSGがバロンへの攻撃を始めます。

それを止めたいものの、Dasher選手の存在が怖すぎて前に出れないDFM。自陣側から様子を見ようとしているところに、壁の向こうからフラッシュで現れたナーが襲い掛かります! 変身したナーが狙うことはひとつ。あわててその場を離れるチャンピオンたちの中で、逃げ遅れたJunglerのSteal選手だけが、メガナーのアルティメットスキルで壁に打ち付けられてしまいました。

そこにUSGが一斉に群がります。一気に体力を削られ、頼みの綱のアジールのアルティメットスキル「皇帝の分砂嶺」も、Dasher選手には発動モーションを見てからフラッシュでかわされてしまいました。

そのまま押し切られてDFMは敗走、USGは悠々とバロンバフを持ってリコールします。

Dasher選手が派手に輝けば輝くほど敵はそれに集中します。Arumik選手は、DFMがDasher選手ばかりを警戒していることを逆手にとり、裏から突入することに成功したのです。

チームとして、それぞれができることをするというのは、口で言うのは簡単でも実際には難しいことです。しかし彼らがそれを真摯に行っているのが、少しだけわかるシーンでした。

バロンバフを獲得したUSGは、ブラッドミアのプレッシャーを使いながらタワーを破壊していき、DFMを追い詰めます。MidレーンとBotレーンのインヒビターを破壊した彼らはTopレーンへ。そして一瞬の隙をついてフラッシュインしたDasher選手のブラッドミアがCeros選手のアジールを倒し、そのままなだれ込むようにDFMのネクサスへと向かいます。迷いなくネクサスを破壊し、自分たちの強さを証明しました。

 

スーパーウィーク後半戦のまとめは明日です、お楽しみに!

「パッチ9.14」で起きた数多くの変更に、プレイヤーたちは戸惑ったり順応しようとしたりと一生懸命なようです。メタの変化によってこれまで見られなかったピックが見られるのは楽しみな一方で、そこに至るまでの選手たちの努力を思うとプロの「強さ」にあこがれることしきりです。

あっという間にレギュラーシーズンもほとんど終わり、セミファイナルが姿を表してきました。7月28日に行われたWeek9、スーパーウィーク後半戦の結果によって、すでにプレーオフ進出チームは確定しています。

ですがそれはそれ。一戦一戦が真剣勝負のプロの試合に、「パッチ9.14」という不確定要素が組み合わさって、これまでにない化学反応が起きるのではないかと私は期待しています。

それでは後半戦のまとめも、お楽しみにお待ちください!

 

 

 

ライター:霞