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Week7:流れを作るメカニクス

2019/07/26, 17:00 - BY RIOT GAMES

LJL

Week7:流れを作るメカニクス

LJL 2019 Summer SplitはWeek7を終え、折り返し地点を越えたところだ。かなり順位は固まってきた印象を受けるが、次のステージであるプレーオフに進めるのは上位の3チームだけ。現状、3位までに到達していないチームで、プレーオフ進出の可能性を考えるなら、勝敗をもっとも大きく意識しているのは、やはり現在4位のBurning Core(以下BC)だろう。

BCは順位だけ見ればプレーオフを狙えるような位置につけているが、Week7開始時で3位だったV3の戦績が9勝2敗、BCの戦績が5勝6敗と、ここから3位以内に入るのはそう簡単ではない。そういう状況である以上、BCとしてはこれまで以上の挑戦で、大きな変化が求められてくる。

また、前期では圧倒的な戦績で1位になったDetonatioN FocusMe(以下DFM)は、Week2から勝利を続け、現在11連勝中だ。ただし、現在1位のCrest Gaming Act(以下CGA)も、いまだDFM相手に1敗したのみと絶好調を維持している。DFMとCGAの直接対決はラストウィークのWeek11に残されており、この2チームの我慢比べはまだまだ続きそうだ。

それでは、Week7終了時のランキングボードを見ていこう。

CGAとDFMは安定して勝利を続けており、3位のV3 Esportsについても上位陣には敗北しつつも、圧倒的な戦績を残している。

どのチームも残された試合はおおよそ7〜8試合と、もう数は多くない。BCとUnsold Stuff Gaming(以下USG)はまだプレーオフ進出の可能性があるように見受けられるが、プレーオフに進出するなら、直接対決で上位のチームを倒すことが最低条件になってくるだろう。

 

Rascal Jester vs Burning Core

まずは、Week7の初戦、BCとRascal Jester(以下RJ)のドラフトから見ていこう。ファーストピックでは、RJがニーコを出したのに対して、BCはボリベアとカリスタというコンビをピックしていく。ボリベアとカリスタというコンビは、韓国のリーグであるLCKでピックされ、現在非常に注目されているコンビだ。

ピックが出揃った時点で、Jungleのリー・シンとエリスというピックから考えると、どちらのチームも序盤から積極的に試合を動かしていくことを狙っている。集団戦では五分五分か、RJが少し有利というところになりそうなので、BCは集団戦を避けてオブジェクトのコントロールや単体へのダメージで人数差を作ったあとの戦闘というのが理想になる。

構成のところでの懸念点といえば、BCのダメージが物理ダメージに寄っているところだ。大きな魔法ダメージ源としてエリスがいるが、それ以外の大きな魔法ダメージだとガングプランクのRスキル「一斉砲撃」やボリベアのRスキル「稲妻の爪」、ジェイスのハンマーフォームのWスキル「ライトニング」とEスキル「サンダーブロー」ぐらいであり、オーンの物理防御が高くなってくると集団戦が厳しくなってくることが予想される。BCとしては、早めに試合を畳む必要があるだろう。

 

強気の判断と、決死の“龍の怒り”

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試合はRJのWyvern選手が24分前後にインファーナルドレイクをスティールし、40秒ほどあとに続けざまにバロン・ナッシャーをスティールするというビッグプレーを起こすが、それでもなおBCが有利な状況が続く。

そして、試合の流れが大きく傾いたのは、RJのインヒビター前での戦闘だ。まずRoki選手が捕まる形で戦闘が始まり、Roki選手はキャリーのScottlyk選手へダメージを与えるもダウン。RJは、人数差の有利を作り出した状況で、さらに追撃戦を仕掛けていく。

この集団戦で勝利したのはRJとなったわけだが、その勝利の要因はふたつある。まずひとつはリー・シンを使うWyvern選手が決死の覚悟で放った神がかり的なR「龍の怒り」と、もうひとつはBC側のガングプランクとエリスにカイト、つまりは引き撃ちをさせなかったことだ。

まず、Wyvern選手の「龍の怒り」についてだ。Roki選手を倒してから、ガーディアンエンジェルの復活効果で生き返ったWyvern選手だが、体力はそう多くない状況での追撃だったため、様子をうかがいながらタイミングを計っていた。ここでWyvern選手としてはふたつの選択肢があり、まずはタンクであるCogcog選手のオーンが戦闘を仕掛けるのを待つこと。もうひとつが、戦闘を仕掛けるためにRスキルの「龍の怒り」を使うことだ。体力が低いことや確実性の高さで考えれば、Cogcog選手の仕掛けを待つ方が良いと言えそうなところだ。しかし、Wyvern選手はかなり強気なプレイヤーであり、これぞWyvern選手というタイミングで彼は仕掛けていった。BCの陣形が少し崩れたところで、Wyvern選手はW「守りの型」でワードジャンプからフラッシュし、「龍の怒り」をBCの中でもっとも育っていて脅威であったOnce選手のエリスに使っていく。そして、さらにRayFarky選手のガングプランクまでノックアップさせ、Ninja選手のニーコの目の前に2体のチャンピオンを蹴り飛ばし、ダブルキルへの完璧なお膳立てをしてみせた。

そして次に、BCにカイトをさせなかったことについてだが、敵と一定距離を保ちつつ攻撃ができるカイトができれば、ダメージをあまり受けずに敵にはダメージを与え続けることができるので、カイトができるかどうかは集団戦において勝敗に大きく関わってくる。また、カイトにおいて単純に引きうちをしているだけでは攻撃分の移動ロスが発生し、距離を詰められてしまうので、カイトを円滑に行うためにはスローやスタンといった行動阻害スキルが重要になる。BCのチーム構成として、カイトのために使える行動阻害スキルが少なく、この状況においてはガングプランクのE「火薬樽」とエリスのE「繭化」だけだった。ただ、上手く機能していればBCとしても集団戦に勝てる可能性があったのだが、これらのスキルが全て不発に終わったことが敗因となった。ガングプランクのE「火薬樽」を発動させようとすると、Alleycat選手のブラウムがE「不破の盾」でスキルを止めていく。エリスのE「繭化」も、Cogcog選手とWyvern選手はサイドステップで回避してみせた。そして、そこにWyvern選手の「龍の怒り」が完璧に入り、完全にカイトができない状況にしてみせた。

この集団戦について、後から考えてみれば、Cogcog選手はフラッシュがない状況、かつ戦闘を仕掛けるためのRスキル「鍛冶神の呼び声」がない状態だったため、Wyvern選手が仕掛けずにBCが引き撃ちを続けていれば、RJが負けていた可能性も高い。このWyvern選手の強気の選択が、この集団戦と、チームを久々の勝利に導く選択となった。

 

DetonatioN FocusMe vs V3 Esports

次は、Week7の最終戦となったDFM対V3の試合を見ていこう。この時点で、DFMは11勝2敗、V3は10勝2敗であり、勝利したチームが2位に位置付けるという重要な意味を持つ試合だ。

まずはドラフトだが、DFMはCeros選手の得意チャンピオンであるハイマーディンガーをピックし、構成としては仕掛けるよりもカウンターを得意とするようなものになっている。Botレーンはエズリアルとユーミというとてもセーフティなコンビであり、レーニングで有利を取れなくとも、エズリアルは後半に向けて確実に育っていけるような狙いだろう。

一方のV3は、コーキTopという変わり種のチャンピオンピックだ。近頃、マークスマン寄りの遠隔攻撃チャンピオンのTop運用が少しずつ出てきており、北アメリカのリーグであるLCSではアジールTop、中国のリーグであるLPLではツイステッド・フェイトTopなどが見られた。構成としてはBotレーンにノーチラスとルシアンという非常に攻撃的なチャンピオンを配置しているため、序盤からBotレーンで有利を作っていきたいところだ。また、戦闘を仕掛ける能力があるのがほぼノーチラスのみであり、Midのモルガナも味方を守ることに長けたチャンピオンなので、こちらもDFMと同じように、どちらかと言えばカウンターが得意な構成になっている。

 

流れを作り出す、DFMのメカニクス

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この試合は、DFMが試合序盤のふたつの高度なメカニクス(操作技術などの細かい技量のこと)のプレーで流れを作った。まずはDFMが見せた、ひとつめのプレーを見ていこう。

試合開始から4分前後、V3のBaby選手がBotレーンにガンクを狙っていく。V3にとってBotレーンは勝たせたいレーンであり、序盤から仕掛けていかないとユーミのダメージを一方的に受け続ける形になってしまう。そのため、Baby選手がガンクを行い、強制的に仕掛ける形を作ろうとしたということだ。

そのガンクを成功させるために、まずviviD選手がフラッシュインから通常攻撃でスネアを与えていく。そこにまず、Yutapon選手がしっかりと反応して、スキルで距離を取っていく。viviD選手もそれに合わせてすかさずフックでの追撃を行うが、ここでGaeng選手がそのフックに反応。Yutapon選手に当たるはずのフックはGaeng選手のユーミに命中し、ユーミは即座にYutapon選手に密着し、攻撃を回避した。

そこにMidのCeros選手とAce選手がテレポートをして、Steal選手もそこに参戦してくる。さらに、DFMは逃げ遅れたBaby選手にすかさず追撃を仕掛けてファーストブラッドを獲得。そして、最後まで気を抜かない高度なメカニクスを見せていくのがDFMだ。この混戦の中でAce選手のモルガナのQ「ダークバインド」を、Ceros選手はしっかりと回避していく。もしこのダークバインドが当たっていればBaby選手にキルが入って、試合結果はまた別のものになっていたかもしれない。

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そして極めつけがふたつ目のプレーだ。時計は8分すぎ、DFMがインファーナルドレイクを獲得し、Botサイドで2対2が起きたあと、Steal選手がドラゴンのピット内で捕まるような形になった。

1発でもカーサスのQ「根絶やし」を受ければ倒されてしまうかもしれないという状況。さらに、インファーナルドレイクを倒す際にダッシュスキルを使ってしまっており、Botの戦闘に加勢しようとR「グレイシャルプリズン」とフラッシュを消費してしまっていることで、相手のダメージを回避するには、ひたすらに移動でカーサスのQを回避するほかなかった。

Baby選手がSteal選手を狙って撃ったQスキルは7回。Steal選手はそれをすべて回避し、Yutapon選手にキルをプレゼントしたわけだが、Steal選手はこの状況から生き残るだけなら回避は4回までで十分だった。なぜなら、4回回避した時点ですでにダッシュスキルのクールダウンは解消されていて、ドラゴンのピット内から離れることが出来たからだ。

このSteal選手のプレーの恐ろしいところは、危機的状況をあえて利用し、味方が寄ってくるまで回避をし続けたところだ。そして味方が来ると同時に、スローを与えてドラゴンピット内から離れていく。失敗していれば、Baby選手にキルされるだけで終わるという可能性も大いにあった、リスキーなプレーだ。ただ、このプレーを成功させたことにより、ここからはBaby選手が苦しむ展開になり、チームとしてもDFMがV3を圧倒。高度なメカニクスから生み出されたふたつのプレーが、この試合のDFMの勝利への流れを作り、上位争いに大きな意味を持つ1勝となった。

 

Week8、9は7月27日、28日の13時から開始。注目はCGA対V3の試合

今週末はスーパーウィークという2週分の試合が行われる形になっており、Week8とWeek9が行われる。Week8は7月27日の土曜日、Week9は7月28日の日曜日、開始時刻は両日ともに13時から開催される。注目の試合は、Week9のCGA対V3の試合だ。CGA対V3の今期の対戦成績はCGAが2勝0敗と勝っているが、V3もいまだCGAとDFM以外のチームには負けなしで来ている。V3のチーム力の高さはもはや疑う余地がなく、高いレベルの試合になるのは間違いないはずだ。

そして、もうひとつ注目したいのがCGA対BCという試合だ。BCとしてプレーオフ進出に向けてもう1試合も落とせない状況になってきたが、CGAに勝つのは一筋縄ではいかないだろう。今度はどのような変化を加えてくるのか、見逃せないところだ。

試合はヨシモト∞ホールで行われる。チケットの販売ページはこちらから確認が可能だ。

 

 

 

ライター:つきひ