ONにすることにより試合結果を表示することができます。

Week3:勝ちに繋がる1プレー

2019/07/05, 17:00 - BY RIOT GAMES

LJL

Week3:勝ちに繋がる1プレー

LJL 2019 Summer Splitは、Week3を終えた。波乱の展開がありながらも、ランキングボードは少しずつ落ち着きを見せてきている。

ここまでの注目としては、やはり無敗の2チーム、Crest Gaming Act(以下CGA)とV3 Esports(以下V3)だろう。両チームは前期王者のDetonatioN FocusMe(以下DFM)にも勝利し、その実力の高さを証明している。

それとは対照的に、今期苦しんでいるのがそのDFMと、前期3位の強豪Unsold Stuff Gaming(以下USG)だ。DFMは上記でも述べた通り、今期はCGAとV3に敗北を喫し、Week2終了時では2-2という結果に終わっている。前期のDFMの戦績は20勝1敗だったので、すでに前期以上の敗北を重ねているわけだ。しかし、それ以上に立ち上がりに苦しんでいるのがUSGで、開幕から4連敗という厳しい展開だ。それでは、Week3終了後のランキングボードを見ていこう。

CGAとV3は両チームともに無敗だが、試合数の関係上、CGAが6勝0敗で単独首位に躍り出た。続いてV3が5勝0敗で2位、DFMはWeek3を2-0で終え、単独3位につけた。

苦しんでいるのがAXIZ(以下AXZ)、Rascal Jester(以下RJ)、そして前期3位だったUSGだ。USGについては、開幕から6戦目でついに初の白星を得た。この勝利をきっかけに、強豪として復活できるだろうか。

 

DetonatioN FocusMe vs Rascal Jester

ではまず、Week3の初戦であるDFM対RJの試合を見ていこう。ここまでDFMは2勝2敗と順調な立ち上がりとは言い難いスコアだが、負けた相手はCGAとV3という無敗のチームなので、相手の調子が良かったとも言えるだろう。

対するRJは1勝3敗と、こちらも苦しい状況だ。RJは前期からスターターが変更されており、今期はNinja選手がMidに就いている。Ninja選手についてはNA LCSのファンであれば知っている方もいるかもしれないが、2014年よりキャリアをスタートし、Team EnVyUsというチームでも活躍していた経歴を持つベテラン選手だ。

さて実際のドラフトを見ていこう。DFMはまず最初にアジールをピックするという、かなり強気な戦略を取った。というのも、アジールにはカウンターチャンピオンが多く、アジールよりも射程が長いチャンピオンや、一部のアサシンに対してはかなり厳しい戦いになる。現在のメタにおいては、アジールが苦手なチャンピオン群があまり強力なピックではない、というのも理由としてあるのだが、それを差し引いても強気だと言える。

次に、RJはセジュアニとノーチラスをピック。戦闘中のスキル回避が困難なアジールに対して、強力な行動阻害を持つ2体のチャンピオンで動きを止める構えだ。それに対してDFMはブラウムとトランドルという、ノーチラスやセジュアニから味方を守ることが可能なチャンピオンをピック。ここでRJは、高い瞬間火力と継続火力を兼ね備えるコーキをピック。敵のダメージキャリーを捕まえたときに、高い火力と瞬間的な機動力を持つコーキがいれば簡単に倒すことができる。ただネックなのは、コーキはアイテム依存度が高く、トリニティフォース、インフィニティエッジ、ラピッドファイアキャノンという3つのアイテムを完成させたときにパワースパイク(チャンピオンごとの、強くなるタイミングのこと)を迎える点だ。

ここからはピックのフェーズ2に入っていく。DFMはカイ=サとナー、RJはエズリアルとオラフをピックした。どちらのチームも終盤に強い構成になっているが、DFMは受けの構成、RJは攻めの構成という違いがある。

試合は中盤まで、動きの少ない展開になっていく。TopレーンではWyvern選手のオラフがEvi選手へのガンクを2回成功させてRJが有利、逆にBotはSteal選手がBotに圧力をかけていくなどしてDFMが有利、という形だ。

 

Gaeng選手の“超反応”が作り出す、受けの強さ

試合を見る

試合は中盤を迎えた20分40秒、RJのダブルテレポートから始まる。まずはAlleycat選手が完璧なタイミングで仕掛けてCeros選手を捕まえて、DFMの逃げの選択肢を潰していく。次にダブルテレポートで入ってきたCogcog選手とNinja選手が挟み込むようにDFMに襲い掛かり、逃げ延びようとしたCeros選手を落としていく。Ceros選手は、体力ギリギリでありながらも、なんとかアルティメットスキルを使って相手にダメージを出し辛い環境を作り、仕事をしていく。その間に、Steal選手のトランドルがWyvern選手のオラフにアルティメットを使い、Yutapon選手のカイ=サが攻撃を続けて撃破。まずはチーム単位で1:1のトレードに持っていった。

その状況で、アルティメットスキルが残っているのがTopレーナーのEvi選手のナーと、Cogcog選手のセジュアニだけになった。どちらも範囲攻撃の強力な行動阻害スキルであり、これを決めた方が勝利になる、といったような状況だ。

そんな中で、この集団戦はYutapon選手とCogcog選手が対面するような構図になってしまう瞬間があった。アルティメットスキルを、キャリーに対して決めた方のチームが勝つ――そんな状況で、絶好のタイミングが生まれたのだ。当然、Cogcog選手はYutapon選手を目がけてアルティメットスキル「グレイシャルプリズン」を使う。

ここで危険を察知して反応したのがGaeng選手だ。“超反応”というほかない、完璧なタイミングのフラッシュとブラウムのE「不破の盾」で、グレイシャルプリズンを防いだのだ。おそらく、反応というよりは予測の域なのだろうが、この1プレーが集団戦の勝敗を分けた。

RJは狙いをYutapon選手に定めていたため、Evi選手が使うナーに対しての警戒心が薄れてしまっていた。そしてEvi選手のナーの怒りゲージが溜まったあと、フラッシュからのアルティメットスキル「ナー!」がRJに突き刺さる。この集団戦はDFMが3:1トレードで勝利し、バロンも獲得。RJはゴールドが集まったYutapon選手を止めることができず、この集団戦で得た流れのままDFMが勝利を決めた。

DFMは受けの構成だったのだが、そういう意味では今回のMVPは間違いなくGaeng選手だろう。この1プレーだけでも、その技術と判断力は、やはり「日本最強Bot」のサポートだと再確認させられるものだった。

 

V3 Esports vs Unsold Stuff Gaming

開幕から4連敗。厳しい立ち上がりとなった USGのWeek3最初の相手は、今期まだ負けなしのV3だ。戦績で見れば4-0のチームと0-4のチームという戦いだが、USGは間違いなく強豪のチームであるし、試合前の視聴者による勝利予想ではほぼ五分五分という予想になっていた。そういう意味では「両チームの実力は拮抗していて、注目の試合」という投票結果と言えそうだ。実際に、この試合はWeek3でもっとも熱い試合だったと感じた。

それでは、早速ドラフトを見ていこう。V3はカルマ、エズリアル、レク=サイ、ガングプランク、ルブランというチーム構成で、USGはタム=ケンチ、アッシュ、ジャーヴァンⅣ、コーキ、モルデカイザーというチーム構成だ。

V3はどちらかと言えばセーフティなチャンピオンを多めに構成し、終盤に強力なエズリアル、ガングプランクというチャンピオンで固めてきた。対するUSGはアッシュやジャーヴァンⅣ、タム=ケンチ、モルデカイザーといった、孤立したチャンピオンを倒すのが得意なチャンピオンを多めにピックし、中盤以降、孤立した敵を捕まえてオブジェクトを狙っていくという構成だ。特にモルデカイザーについてはLJLにおいて、リメイク後初ピックなので、否が応でも注目してしまう、といったところだ。

試合はV3のレベル2Botガンクから始まる。V3はEnty選手を倒すも、かなり奥まで攻めたことによりBaby選手が倒されてしまう。そこからは激しいスタートとは裏腹に、落ち着いた展開になっていく。14分前後のドラゴン前での戦闘でも、USGがドラゴンを獲得し、V3が2キルを獲得、といったようなイーブンな展開だ。

その後、USGはDasher選手が育つような形にして、MidのCS差とタワー差、さらにはバロンを獲得していく。その甲斐もあり、USGは最大で7000ゴールド近くの有利を作り出し、USGの今期初勝利は、V3にとって、今期初敗北を与えることになるかと思われた。

 

すべてを変えたトゥルーショットバラージ

試合を見る

試合は35分に差し掛かかろうという終盤、Dasher選手のBotレーンへのテレポートから始まった。Dasher選手がBotタワーを破壊しようと攻めている状況で、V3はエズリアルとガングプランクで対応しようとする。そこまではUSGのプラン通りだった。V3は構成上、戦闘が始まる前にエズリアルのポーク(遠距離から一方的にダメージを与えること)が重要になっている。エズリアルとガングプランクにテレポートがあるとはいえ、テレポートが完了するのには時間がかかるため、USGとしてはこのタイミングでバロンを始めれば、エズリアルのポークを受けずにバロンを取り切り、集団戦に持ち込めるという予想だった。

このタイミングでバロンを始めたUSGとして、最も警戒していたのがBaby選手によるバロンスティールだ。しかし、それを警戒するあまり、バロンを倒すスピードに大きく関与していた、Arumik選手のモルデカイザーがV3のJungleのBaby選手を捕まえようとバロンから離れてしまう。その判断が失敗に繋がった。

USGはそこでコミュニケーションエラーが発生したのか、Keymaker選手のアッシュもBaby選手を止めようとアルティメットスキル「クリスタルアロー」をBaby選手に目がけて使った。しかし、その時にはすでにArumik選手がアルティメットスキル「死の国」をBaby選手に使っており、クリスタルアローは半透明のレク=サイをすり抜けていく。

USGは重要なアルティメットを失った状況だが、バロンを獲得したうえでArumik選手のモルデカイザーがアルティメットから出てくれば、十分に勝ち目のある戦闘だった。そんな中で、Yutorimoyashi選手のエズリアルが放つアルティメットスキル「トゥルーショットバラージ」が、状況を一変させた。

Yutorimoyashi選手のトゥルーショットバラージがバロンをスティールし、同時に、Dasher選手のいない状況では唯一のダメージキャリーであるKeymaker選手のアッシュを瀕死まで追い込んだ。USGとしては、考えられるうえで最悪のシナリオだ。Ace選手のルブランがKeymaker選手に圧力をかけて、左に寄るように仕向けたのも大きい。Tussle選手もバロンをスマイトでキルしようと狙ったはずだが、バロンの体力は843からほぼ瞬間的に402と表示されたあと、トゥルーショットバラージでYutorimoyashi選手がキルしている。この時点でのTussle選手のレベルは14で、この時点でのスマイトのダメージは800だ。反応できるほどの時間はなかったため、Tussle選手からすれば、どうしようもないといったところだろう。

ダメージキャリーが瀕死になり、バロンもスティールされたUSGは、もう成す術がなかった。V3はバロン前で4キルを獲得したあと、Paz選手と1対1を行っていたDasher選手のコーキも、バロンリコールでベースに戻ったAce選手の援護によりシャットダウンに成功。その後V3がMidのインヒビターを破壊し、エルダードラゴンまで獲得した。そこからは、V3が勝利に手をかけるのに時間はかからなかった。

Yutorimoyashi選手が放った1回のトゥルーショットバラージが、何もかもをひっくり返し、V3としては未踏の5連勝、USGとしては5連敗という、明暗を分ける結果を彼らにもたらした。

 

Week4は7月6日13時から開始。注目はCGA対V3の試合

Week4は7月6日の土曜日、13時から開催される。Week4では、全チームの総当たりが完了することになる。注目の試合は、やはりCGA対V3だろう。どちらも無敗のチームのため、どちらかが今期初黒星を喫することになる。

注目のプレイヤーはCGAはMidのLuna選手とADCのArt選手というダブルキャリー、対するV3はすべてのプレイヤーがキャリーチャンピオンを得意としているので、特定のプレイヤーを決めるのが難しいが、あえて挙げるとすれば引退を宣言後、LJLにカムバックしたYutorimoyashi選手に注目したい。個人的な見方だが、LJLでは「1度引退を宣言して帰ってきた選手は強くなる」というジンクスがあるのでは? と思っている。同じような経緯でLJLに戻ってきた選手としては、前期のSengoku Gamingの躍進に大きく貢献した、TopのReiya選手が記憶に新しい。ここまでを見ているとYutorimoyashi選手は前期より好調に見えるので、どうしても期待してしまうところだ。

前期2位で徐々に頭角を現してきたCGAと、前期6位でこれまで鳴りを潜めていたV3。どちらが開幕からの連勝という記録を伸ばしていけるのか、注目だ。

試合はヨシモト∞ホールで行われる。チケットの販売ページはこちらから確認が可能だ。

 

※初出時、Ceros選手が初スタメンとの表記がありましたが、Week1でスタメンを務めておりました。お詫びして訂正させていただきます。

 

 

 

ライター:つきひ