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Week2:「6%」の期待を背負って

2019/06/28, 17:00 - BY RIOT GAMES

LJL

Week2:「6%」の期待を背負って

Week1でいきなりDetonatioN FocusMe(以下DFM)が敗れたというニュースは、LJL界を電撃のように駆け巡りました。LJL 2019 Spring Splitではほぼ無敗だったDFMは王者の名を欲しいままにし、日本リーグで最強との呼び声が高かったのですから。

しかしその試合の相手はCrest Gaming Act(以下CGA)。前シーズンからメキメキと頭角を現し、一気に2位にまでこぎつけてSemi Finalに進出した実力は伊達じゃなかったということでしょう。

ところが、今週もまたDFMは黒星をつけられてしまいました。そのお相手はV3 Esports(以下V3)。

こちらがWeek2を終えての順位表です。

これから激しい順位争いが行われるのは皆さん承知のことでしょうが、不動の1位だったDFMが4位、SpringではFinalにまで進出したUnsold Stuff Gaming(以下USG)が勝ち星なしの最下位というのは衝撃的な結果です。

まだまだWeek2、順位表はあてにならない段階ですがこれからどうなってしまうのでしょうか。

気になるのは、やはり4連勝しているV3とCGAの動向です。どちらもロスター(試合に出るメンバーとポジションのことです)変更がうまくかみ合っているのか、破竹の勢いで勝ち進んでいます。

チームから安定感も感じられますし、これからが非常に楽しみです。

今週はそんな彼ら、V3とCGAの試合について見ていきましょう。

 

Game3:V3 Esports vs DetonatioN FocusMe

V3は前シーズン6位、8勝13敗と負け越しでいまひとつ戦績の振るわないチームでした。そのせいか、試合前の視聴者勝利予想でV3に投票したのは、たったの「6%」です。

JunglerにBaby選手、ADCに「引退宣言」をしつつも私たちの前に帰ってきてくれたYutoriMoyashi選手というメンバー変更を行い、Week1では素晴らしいポテンシャルで2連勝を決めたチームではあります。しかしDFMの前になすすべはないだろうと誰もが思っていたことを、この勝利予想が示唆していました。

まずバンピックフェーズで、V3はエイトロックス、ケイトリン、ラックスを確保します。Top、Mid、Jungleのどこにでもいけるエイトロックスをまず見せて自分たちの狙いを隠しつつ、Botレーンは射程の長いチャンピオン二人組でタワープレートをはがしていこうという構想のようです。ADCがYutoriMoyashi選手になったことで、バンピックにも変化が表れています。

対するDFMはザヤとラカンをピック、さらにJunglerのチャンピオンを集中的にバンしてBaby選手への警戒を行います。しかしこのBaby選手はかなりチャンピオンプール(使えるチャンピオンの種類)が広いようで、今回はシン・ジャオをピックしました。序盤の1vs1性能の高さと、アルティメットスキル「三日月槍守」による敵チームの分断や、狙ったチャンピオンを孤立させるのが得意なチャンピオンです。

それに対して、DFMはMidにイレリア、Topにヘカリムを送り込みました。魔法ダメージを出せるチャンピオンがJunglerのエリスのみという、かなり物理ダメージに偏った構成になってしまったのが、気にかかるところでしょうか。

 

真のエースへと開花したAce選手と、美しき影の暗殺者「アカリ」

試合序盤でV3のBaby選手がTopへガンクを決めたのに対し、Steal選手はBotレーンにガンクをしかけました。Baby選手に倒された直後だったEvi選手はBotレーンへテレポートしてキルを獲得しチームに貢献したものの、V3側は彼のリコールを阻害し、その隙にPaz選手がTopレーンで敵の大量のミニオンをうまくコントロールし、Evi選手にミニオンをロストさせます。ゴールドの差こそあまりできなかったものの、経験値の差をつけられたEvi選手は以後のレーニングで苦戦を強いられることになりました。

こうしてPaz選手がEvi選手をおさえ、Baby選手がマップ全体にプレッシャーを与え続けることでDFMに動きを起こさせず、V3は着々と装備を揃えます。

そして17分ごろ、ついにマウンテンドレイクを狙った集団戦が勃発しました。

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ここで特筆すべきはAce選手のアカリを用いた活躍でしょう。たったひとりで背後から敵陣に飛び込み、ステルスとアルティメットスキル「完遂」によるブリンクで陣形を破壊します。DFMはマウンテンドレイクの体力を削っていたものの、Ace選手によって下がらざるを得なくなり、彼が作った時間でV3は素早くマウンテンドレイクを横取りします。撤退もスムーズで、チームとしてコミュニケーションがとれていることがわかる動きです。

さらにDFMがヘカリムとラカンの機動力で追撃を仕掛けたところに、今度はviviD選手用いるラックスのライトバインド(敵をスネアで拘束するスキル)がカウンターで突き刺さります。これによって理想的な仕掛けを行わせてもらえなかったDFMは、キル交換に持ち込まれる結果に。もちろん先にドラゴンを確保していた分、V3が有利を築いた形に終わります。

さらに22分ごろからのインファーナルドレイクを狙った動きでは、Ace選手がまたしてもひとりで敵陣に飛び込み、今度はSteal選手をソロキル! V3はそのAce選手を迎えに動き無事に帰還させ、一方的にキルをとった上でインファーナルドレイクを獲得します。2体目のインファーナルドレイクを獲得したことでチーム全体の火力が底上げされ、V3が一気に有利に。

しかしDFMとて一筋縄でいくチームではありません。その後も粘り続けて、ついに逆転の糸口を見つけます。バロンを獲得してわずかに気が緩んだか、位置取りが甘くなったV3にEvi選手用いるヘカリムのイニシエート(仕掛けて戦端を開くこと)を突き刺したのです。

戦線は瓦解し、V3は一気に4人を倒されてしまいます。DFMは犠牲なしでこの集団戦に勝利したため、フルメンバーのままネクサスまで猛進。試合を終わらせにかかりました。

そしてそれを迎え撃つのは、またしても「たったひとり」のAce選手です。

試合を見る

上の動画を見ましたか? え、見てない? それはもったいない!

このあまりにも美しすぎるアカリの動きはまさしく一級品、「エース」の名にふさわしいものです。

ネクサスタワー前に陣取ったDFMは、全員でタワーを壊しにかかります。しかしそれは同時に、ひとつ所にまとまってしまうということ。そしてAce選手はアカリの機動力とフラッシュを使って、横から飛び込み「完遂」を一閃。非常に範囲の狭い技でDFMのほぼ全員を巻き込み、ひらめく刃で一瞬にしてふたりを倒したうえ、Yutapon選手のガーディアンエンジェル(一度復活させてくれるアイテム)までもはぎとりました。

DFMはネクサスを目の前にしながらもたまらず撤退。試合を決めきることができません。

ひやりとするシーンではありましたが、V3はここで気を引き締めたのか陣形を組みなおし、エルダードラゴンを狙ったにらみ合いでDFMに仕掛けさせて後ろで浮いたYutapon選手を倒しにかかります。飛び込むパワーのあるシン・ジャオと安全なところから長射程で攻撃できるケイトリンの組み合わせの前にオートアタックレンジの短いザヤでは、いかにYutapon選手が世界レベルのプレイヤーと言えど抵抗できず、彼を倒したV3は勢いに乗ってエースを獲得。そのまま試合を終わらせました。

試合後のインタビューにはPaz選手が選ばれたものの、話題の半分はAce選手。前シーズンでのプレイと比べ、飛躍的に上達した姿にキャスター陣も度肝を抜かれたようです。「Ace選手はいったいどうしてしまったのか」というインタビュアーの質問に対し、Paz選手は「ただただ頑張ったんだと思います。韓国人プレイヤーの多いMidレーンに日本人として挑んで、最初は『どうなるんだこいつ』と思っていたけど、いつも頑張ってくれているので感謝しています。ネクサス前のシーンではAceが『これハイライトかな』とか言いながら突っ込んでほんとに敵を倒してて、今日一番叫びました(笑)」と笑いながらコメントを残しました。

試合前の視聴者勝利予想では「6%」の票数だったV3ですが、その6%の期待に見事に応え、4連勝を達成しました。

 

Game6:Sengoku Gaming vs Crest Gaming Act

Blank選手とPoohManDuコーチの加入に加え、高いポテンシャルを見せるDonshu選手の登場によりなにかと話題にあがっているSengoku Gaming(以下SG)と、Nap選手の一時離脱によりSupportだったGrendel選手をTopに置き、atyamomo選手がSupportの穴を埋めているCGAの対戦カードです。

先週の記事でも見どころとして触れられていましたが、どちらもDFMを下したチームということで注目の対決となりました。

今のプロシーンのメタ(試合で頻繁に用いられる戦術)で登場するチャンピオンには、フレックスピック(二か所以上のレーンにいけるチャンピオン)が多いという特徴があります。この試合はそれが顕著に表れたバンピックフェーズでした。

まずファーストピックのタム・ケンチはこれまでSupportで運用されていたチャンピオンですが、最近はTopに現れるようになりました。それに続くパイクはTop/Mid/Supportとかなりの柔軟性を持っています。さらにニーコもTop/Midで運用され、ラックスもMidにいけなくはないチャンピオンです(ほとんどSupportでしかみませんが)。

最終的にSGは序中盤に隙がなく、その段階までで作った有利を終盤につなげていく形を作りましたが、対照的にCGAは序中盤耐えなければならないものの、終盤になれば爆発力を発揮するような構成となりました。

どんどんチャンピオンが増えていることもあり、ギリギリまで相手に自分たちの狙いを悟らせず、それでいて相手の狙いに対してカウンターを行えるチャンピオンを選ばなければならないこのゲームは、際限なく奥深くなっていると言えるでしょう。

 

Grendel選手の思わぬポテンシャル

この試合の焦点は、序中盤でSGがどれほど有利を築けるかになりました。できるだけ多くのタワープレートを破壊してプレートのゴールドを確保したうえで早めにファーストタワーを破壊し、CGAの動く余地を削っていかなければなりません。

逆にCGAは試合を長引かせてライズとエズリアルさえ育ててしまえば、そのふたりにダメージを任せて、パイクはQスキルのボーンスキューア(チャージして敵をひっぱるスキルです)でのピックアップを狙いつつ体力が減った対象にアルティメットスキル「水底の急襲(ある程度以下の体力になった対象を処刑します)」を放って、一体ずつ処理していく形になります。

それを理解しているSGは序盤からダイブを仕掛けたり、積極的にCGA側のJungleに入り込んでバフを奪うなどの動きを見せ続けました。特筆すべきはBlank選手の動きで、BotのArt選手とatyamomo選手にプレッシャーをかけるために自分のCSを犠牲にしていたはずが、気が付けば対面のhachamecha選手のレベルを上回っているなど、マップ全域の把握力とファームすべき場所の見極めなど、コントロール力の高さを見せつけました。

しかし「耐えるゲーム」ならCGAも慣れたもの。これまで通り驚異的な粘りを見せ、全体ゴールドでそこまで大きな差をつけられることなく中盤を迎えました。

CGAにとって、もっとも困るのが「敵にバロンを奪われ、バロンバフを持ったミニオンを処理できずに押し込まれること」だとわかっているのか、20分以降はエズリアルとラックスが幾度となくバロンにスキルを放ち、SGがバロンを開始していないかのチェックを怠りません。

一度はバロンを奪われタワーを一気に破壊されてしまったものの、インヒビターは守り切り装備がそろうまでの時間を稼ぎ切りました。

そうなればしめたもの、CGAの時間が始まります。

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二度目のバロンを獲得しようと動いたSGの動きを察知したArt選手が、Blank選手、Taka選手、OdduGi選手を巻き込む形でエズリアルのアルティメット「トゥルーショットバラージ」を決めます。これによって体力を削られた上、サイドから現れたパイクによってBlank選手を引っ張られてしまったことで陣形を崩されたSGは、一気に撤退する形に。

しかしパイクの「水底の急襲」の恐ろしいところは、このスキルでキルを獲得すれば一時的にクールダウンが解消され、最後にアシストをした味方にもゴールドを分け与えてしまうところ。Blank選手のキルを皮切りにDonshu選手とOdduGi選手まで倒しきり、SGは大きなゴールドの有利とバロンバフを手にします。

これによってMidレーンのインヒビターまで獲得したCGAですが、まったく試合を焦りません。とにかくSGに仕掛けられないように警戒し、ことごとく罠をかわしながら時間を過ごします。

そして試合時間41分、ついに迎えた3度目のバロン。同時にエルダードラゴンも出現しました。

SGが先に狙いたいオブジェクト側に陣取り、CGAは視界のコントロールを妨害しながらそれに対応していくという形が続きます。

パイクで釣り上げるか、ラックスのスネアでひっかけるか、エズリアルのアルティメットをかすらせるか。どれかが成功すれば確実に勝てることを理解し、徹底して安全な位置取りをやめないCGAに対し、痺れを切らしたSGが先にバロン攻略を開始。しかしすぐさまCGAが対応し、これも止められてしまいました。

さらに今度はCGAがバロンに触り始めます。なんとか止めようと動くSGですが、その動きを理解しているそれぞれのプレイヤーがSGの動きを阻害します。そして下側でひとり浮いているように見えたLuna選手のライズに、シン・ジャオとラカンが襲い掛かりました。

しかしそれこそが罠。すでに1対2をさばけるほどに育っていたLuna選手は、ひとりでふたりを相手取ります。Grendel選手が後衛をゾーニング(近づけないように牽制すること)している間に、CGAはLuna選手に加勢して2キルを獲得!

そのままバロンとエルダードラゴンを倒したCGAは、ふたつのバフを持ってSGのネクサスに詰め寄り、試合に勝利しました。

この試合のキーとなったのは、ステルスとブリンクを駆使して常に敵に思い通りの位置取りを行わせず、戦闘になれば「水底の急襲」で確実にキルをもぎ取っていたGrendel選手の働きでしょう。これまでSupportでプレイしながらも、いきなりTopに行って高いポテンシャルを発揮する姿には、驚いた方も多いのではないでしょうか。

 

Week3は6月30日の14時15分から、ランキングボードは動くのか

DFMの敗北に、突如トップに躍り出たV3の活躍、そしてさらに安定感を増したCGAと盛りだくさんのLJL2019 Summer Split。「注目の試合は全部です」と、思わず言いたくなってしまうような状況ですが、それでも気になるのはDFMの動向でしょうか。

現在のところ黒星がついているDFMですが、なにかを試しているようにも見受けられます。世界大会に出場し、「このままではいけない」と羽化を待つ蛹の中身のように一度体を作り変えているのかもしれません。

であれば、Week3でもなにかこれまでと違う動きを見せる可能性はあります。彼らの試合からは目が離せないでしょう。

そしてもうひとつ気になるのがUSGの試合です。ここまで全敗、さらに次の相手の片方は現在波に乗っているV3と、厳しい状況のようにも見えますが、彼らもまた何か新しいものをつかもうとしているのでしょうか。

前シーズン1位と2位の彼らの敗北に、またひとつ変化が起きているのかと皆さん注目していることでしょう。ここから古豪が持ち直すのか、新風が吹き荒れこれまでにないランキングボードになってしまうのか、これまでにない初めての状況に私も興奮を隠せません。

選手たちの熱を直に感じたいなら、ぜひ会場に足を運んでみてください。

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ライター:霞