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Week11:頂上決戦

2019/08/23, 18:00 - BY RIOT GAMES

LJL

Week11:頂上決戦

LJL 2019 Summer Splitは去る8月18日に開催されたWeek11をもって、レギュラーシーズンを終えた。今期はDetonatioN FocusMe(以下DFM)、Crest Gaming Act(以下CGA)、V3 Esports(以下V3)の3チームが首位争いを続けてきた。そのなかでも特に好調だったのがCGAで、Week8まではDFMに1敗したのみで14勝1敗という驚異的な成績を叩きだしていた。それにより、前期で優勝を果たしたDFMの王権が終わりを迎えるかと思われたが、CGAはWeek9ではV3を、Week10ではUnsold Stuff Gaming(以下USG)を相手に敗北。それに対して週を重ねるごとに調子を上げてきたDFMは、Week10でついに勝敗数でCGAに追いついた。

そして迎えるラストウィークのWeek11。この1位争いを見越したかのように、当日のマッチアップにはDFM対CGAの試合が残されていた。今回は、その頂上決戦にフォーカスを当てていく。

Week11を終えたリザルトから見ていこう。ランキングボードの表示では、DFMとCGA、ともに17勝4敗と、同率の結果になっているが、勝利数が同じ場合、直接対決で勝利数が多いチームが上位となるため、Week11の結果を受けてDFMがCGAに対して2勝1敗となり、DFMがレギュラーシーズンを1位で終えることとなった。

これにより、プレーオフに進出するチームはDFM、CGA、V3に決まったが、その一方で4位以下となってしまったチームを見てみると、USGとSengoku Gaming(以下SG)がレギュラーシーズン後半になって勝ち星を重ね始めた点に注目したい。USGはCGAに、そしてSGはV3にと、それぞれ上位のチームに勝利しており、次のシーズンでは5チームでの上位争いが見られそうな予感がしている。

 

DetonatioN FocusMe vs Crest Gaming Act

Week11でもっとも注目された試合は、間違いなくこのDFMとCGAの試合だろう。この試合で勝利したチームはレギュラーシーズンの1位通過が確定し、プレーオフは決勝からとなる。逆に負けたチームは2位通過が確定し、プレーオフは準決勝を戦うことになる。ドラマ性を求めるなら、準決勝から勝ち上がっていく方がいいとも言えそうだが、プレーオフでの試合数が増えれば考えるべき戦略の量も増え、準備すべきことが増えてしまう。つまりは、レギュラーシーズンを1位で終えることはとても価値が高いということだ。

前置きが長くなってしまったが、ドラフトを見ていこう。まずバンフェーズだが、DFM、CGAともにMidのチャンピオンをバンしていく。DFMはLuna選手の得意チャンピオンであるキヤナ、アカリを、そしてCGAはCeros選手の得意チャンピオンであるカルマ、ハイマーディンガー、ジグスをバン。明らかなMidへのターゲットバンだと言える。

そしてピックだが、DFMはユーミ、エズリアル、ニーコ、トランドル、ナーをピック。CGAはコーキ、カイ=サ、ボリベア、セジュアニ、エイトロックスをピックしていく。

構成としては、DFMがエズリアルとユーミを活かして、ポーク(相手の射程外から一方的に攻撃すること)と追撃を行う構成だ。仕掛けにいって積極的に集団戦をする構成ではなく、ナーかニーコにフラッシュがあれば仕掛けられるかもしれない、しかし基本的には仕掛けない、というディスエンゲージ構成(集団戦を仕掛けず、仕掛けられた集団戦を避けたりカウンターする構成)といえるだろう。

逆にCGAは積極的に集団戦を仕掛けられるエンゲージ構成(集団戦を積極的に仕掛けていく構成)だ。セジュアニやボリベア、コーキの固有スキルの特注品を使ったW「ワルキューレ機行」など、集団戦に持ち込むための手段が多いことと、エイトロックスやコーキといったチャンピオンが強力な範囲攻撃を持っていること、そしてボリベア以外のチャンピオンについては、その仕掛けに合わせるためのダッシュスキルやリープスキルを持っており、味方の集団戦の仕掛けにも即座にタイミングを合わせることができる。

両チームの構成に着目すると、ディスエンゲージ構成とエンゲージ構成の戦いという、盾と矛の戦いだ。

集団戦の勝敗を左右する重要な要素としては、DFMではエズリアルとユーミが敵の仕掛けから生き残れるか、CGAはその2人を捕まえきれるか、という部分になるだろう。

 

キャリーの積極性

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試合は序盤にBotレーンで戦闘が2度起き、両チームが1キルを獲得するも、なかなか大きくは動かない展開が続いていた。そして20分前後、Midレーンでついに大きな戦闘が起きた。

まず、仕掛けてきたのはCGAのhachamecha選手のセジュアニだ。距離を詰めてのRスキル「グレイシャルプリズン」で正面にいたSteal選手のトランドルをスタンさせてきた。DFMとしては、これは想定内であり、ディスエンゲージ構成を選ぶうえで、タフなチャンピオンが最初に狙われるのが重要なポイントである。そのため、タンクであるSteal選手かEvi選手が狙われて、集団戦が始まるのは理想的だと言えるだろう。

もちろん、CGAはそれを承知の上であり、Nap選手のエイトロックスが画面下から入ってくるような形にして、タンクであるSteal選手のトランドルがDFMのキャリーを守れない状況を作るためのエンゲージ(集団戦を仕掛けること)だろう。だが、DFMはそれに対して、あえてNap選手のエイトロックスをほとんど無視するような形で、チーム全体を分散させていく。

そうすることで、Nap選手のエイトロックスを、選択が必要な状況に置かせた。エイトロックスは範囲攻撃が強力だが、エズリアルのような距離を取るのが得意なチャンピオンが狙われた場合、距離を取りつつ反撃することができるし、ほかのキャリーではないチャンピオン1体が狙われてもさほど影響力がない。選択を迫られたNap選手に狙われたのはSteal選手、つまりはタンクだ。リスクが低く、確実にヘルスの有利が作れる相手と言ってもいい。

Steal選手はすべてのフォーカスを受けてフラッシュで戦闘から離脱するが、集団戦で有利を作りたいCGAはそこで追撃しようとする。そこに決まったのが、Ceros選手のニーコによるR「ポップブロッサム」だ。奥に入りすぎたatyamomo選手を捕まえて、かつCGAの追撃を阻止した。

だが、そこで満足しなかったのがこの集団戦のDFMだ。Evi選手のナーがいい形でR「ナー!!」を決めて、敵の陣形を崩したことにより、Ceros選手がそれに合わせようとしてしまった。そこに、この集団戦において安全な動きを行ってきたNap選手のエイトロックスがほぼ最大体力のままで襲い掛かってくる。少し前に出すぎたとも思えるCeros選手にすべてのスキルを叩き込み、CGAにキルを返されてしまう。

DFMはCeros選手というAPキャリー(魔法ダメージを多く出すチャンピオンのこと)が落ちて、対するCGAはサポートが落ちているのみで、さらにほぼ体力が最大のエイトロックスがいる。形勢は明らかにCGAに傾いている状況で、CGAの追撃から逃れようとするDFMという構図になってしまった。しかし、Yutapon選手のエズリアルは、虎視眈々とキルの準備を行っていた。エイトロックスのスキルが落ちるタイミング、そしてLuna選手のコーキがキルという甘い蜜に釣られて寄ってくるタイミング、そしてGaeng選手のユーミのQ「気まぐれミサイル」の上がるタイミング。すべてが揃った瞬間、Yutapon選手はフラッシュを使って前に出て、Luna選手のコーキをキルした。

DFMが2-1のキルトレードでこの集団戦を制したと思いきや、ここで次はYutapon選手が前に出すぎてしまう。そのタイミングで、Art選手のカイ=サとNap選手のエイトロックスがYutapon選手に襲い掛かり、最後は2-2のトレードになった。しかし、このDFMのAPキャリーとADキャリーの積極性が、あとあと意味を持ち始めることになる。

 

ダブルテレポート、ダブルフォーカス

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次に重要な局面となったのは、23分ごろの戦闘だ。先の戦闘でバックラインへの圧力を掛けきれなかったCGAの次のエンゲージ手段は、ダブルテレポートだった。DFMがCGA側のMidレーン、セカンドタワー付近まで来たときに、CGAのNap選手とLuna選手が同タイミングで、DFMの背後にテレポートを詠唱した。

そこでYutapon選手は、テレポートがひとりだと考えて、Luna選手のコーキがテレポートを完了したタイミングで、エズリアルの生命線でもあるブリンク(瞬間移動スキルのこと)のE「アーケインシフト」をLuna選手に向かって使ってきた。狙いとしては、Luna選手のコーキの固有スキルである「特注品」を使ったW「ワルキューレ機行」を無駄打ちさせて、その後の集団戦を有利に進める予定だったのだろう。

しかし、そこにNap選手のエイトロックスが続いてテレポートしてくる。Yutapon選手のエズリアルに対してはLuna選手が大きなダメージを与えており、Nap選手の攻撃を避けるためのスキルも消費させていた。結果的にYutapon選手を倒すことに成功するが、それでもタダでは死なないのがYutapon選手だ。きっちりとRスキル「トゥルーショットバラージ」をNap選手に放ち、体力を大きく削ってくる。CGAはこの集団戦でYutapon選手をキルしたものの、追撃ができず、オブジェクトにも繋げられなかった。かなりいい形でダブルテレポートでのエンゲージが成功したにも関わらず、タワー一本さえも手に入らなかったこの集団戦は、CGAにとって「もったいない」ものになってしまった。

 

Art選手のカウンタープレー

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そして試合は進み、次は30分前後で大きな集団戦が発生する。この集団戦でも、hachamecha選手のセジュアニがSteal選手のトランドルを捕まえて戦闘が開始するという、最初の集団戦と同じような構図になった。ただ、ここでもSteal選手はギリギリまでフォーカスを受けながらも、ギリギリのところでフラッシュで戦闘から離脱。そこからは、DFMのカウンターが始まる。まずはGaeng選手のユーミが、R「ファイナルチャプター」でCGAのメンバーをスネアで止めていく。atyamomo選手のボリベアを倒し、ここから構成上得意な追撃を行うところ……しかし、そこで輝いたのがArt選手のプレー(外部リンク、Twitter)だ。

Yutapon選手がスローをかけようとE「アーケインシフト」で前に出たタイミングで、Art選手のカイ=サはE「スーパーチャージ」でステルス状態になり、Yutapon選手のすぐ近くまで忍び寄った。この動きは、Yutapon選手が攻めてくるタイミング、攻めてくる位置など、すべてを把握したうえでの動きだったのは間違いない。

ステルスを解除したArt選手は、その後Yutapon選手にフォーカス。そこにLuna選手のコーキもW「ワルキューレ機行」で距離を詰めてきてフォーカスを重ね、フラッシュで逃げようとするYutapon選手に対しても、即座にR「キラーヴォイド」で距離を詰めて追撃していく。そして、Yutapon選手をキルしたあとは、カウンターを狙って孤立してしまったCeros選手もキルしていく。

 

Ceros選手が稼いだ“勝利の5秒間”

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ここまではCGAが集団戦で有利を掴むことが多かったが、この36分前後で起きた集団戦では、DFMが大きな有利を掴んだ。その有利に繋げたのは、Ceros選手の活躍だ。

集団戦はatyamomo選手を倒したあと、DFMがNap選手とCGAのメンバーに挟まれるような構図になった。そこにArt選手が、体力の低くなったSteal選手とEvi選手を倒すために、すかさずR「キラーヴォイド」でDFMの後衛陣に入り込んでくる。通常であれば、DFMがArt選手を狙っている間に、Luna選手やhachamecha選手が入り込んでくるという状況になるはずだった。しかし、そうならなかった要因が、Ceros選手の動きだ。

Ceros選手はここまで、積極的な仕掛けや、集団戦中に強引とも言えるような動きを続けてきた。このタイミングでも、あえて取り残されたような位置で単身、攻撃を続け、Luna選手のコーキとhachamecha選手のセジュアニに狙われた。これがこの集団戦の、DFMの勝利に繋がった。

Ceros選手は、ゾーニャの砂時計と、ストップウォッチを所持していた。窮地に陥ったこのタイミングで、それを連続で使用することにより、Luna選手のコーキとhachamecha選手のセジュアニを、自身に釘付けにしたのだ。それによりDFMのキャリーであるYutapon選手のエズリアルが、間接的にCeros選手に守られるような形で活躍。この戦闘で、試合の流れがDFMに傾き始めた。

 

ラストファイト

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そして、最後の集団戦は38分前後、先述の集団戦が起きた2分後だった。ほぼゴールド差がなくなり、どちらが勝利するかまったく読めない場面で、孤立したSteal選手のトランドルに向かって、hachamecha選手のセジュアニがまたしてもエンゲージしていく。

CGAは捕まえたSteal選手を全員でフォーカスし、キルに成功。hachamecha選手は体力が2桁でギリギリ生存し、このままCGAが有利を掴んで集団戦が終わるかと思われた。

だが、この状況はDFMにとって4対5ではなく、4対4だった。hachamecha選手が瀕死の状態であり、さらにCGAはSteal選手を倒すためにすべてのRスキルを使用している。この状況はDFMにとって最高のチャンスだった。

DFMには集団戦が終わってしまっても、とても強力な追撃のツールであるユーミのQ「気まぐれミサイル」があった。Evi選手のナーにくっ付いたGaeng選手のユーミが、気まぐれミサイルを離れようとするatyamomo選手に命中させる。そこから続けてスロー、スネアと行動阻害を連鎖させ、CGAを戦わざるを得ない状況に追い込んだ。

そこに、ここまで鳴りを潜めていたEvi選手のナーがR「ナー!!」をLuna選手とArt選手に当て、これが決定打になった。DFMはこの追撃戦で、atyamomo選手とNap選手、そしてLuna選手を倒し、Midレーンのインナータワー、インヒビタータワーへラッシュ。Art選手が体力を回復しようとベースに戻っている間に、インヒビターを破壊していく。

そして最後に、CGAの息の根を止めたのはGaeng選手とEvi選手のコンビネーション(外部リンク、Twitter)だ。ユーミのR「ファイナルチャプター」をArt選手に当て、スネアしたところに、Yutapon選手のエズリアルがR「トゥルーショットバラージ」を撃ち込み、CGAにとって最後の希望であったArt選手をキルした。Steal選手が倒されてしまってからの追撃という、構成通りかつ理想的な展開で、LJL 2019 Summer Splitのレギュラーシーズン1位通過を決めたのはDFMとなった。

 

CGA対V3のセミファイナルは9月1日の17時から開始

レギュラーシーズンが終了し、次はプレーオフに突入する。プレーオフはセミファイナルとファイナルの2戦が行われる。セミファイナルの舞台で戦うのは、今期絶好調だったCGAと、前期から大躍進を遂げたV3。

今期のCGAvsV3の直接対決を振り返ってみると、CGAが2勝1敗と勝ち越しているが、直近の試合ではV3が勝利しており、結果予想は難しいだろう。

このセミファイナルを勝ち抜き、DFMとファイナルを争うチームはどちらになるのか?

今期の三つ巴の上位争いに、ついに決着がつくプレーオフは9月1日から開幕する。セミファイナルはこれまでどおり、ヨシモト∞ホールで行われる。チケットの販売ページはこちらから確認が可能だ。

 

 

 

ライター:つきひ