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勝利のV3! 日本人選手3名が語るセミファイナルの舞台裏

2019/09/05, 18:30 - BY RIOT GAMES

LJL

勝利のV3! 日本人選手3名が語るセミファイナルの舞台裏

9月1日に行われたセミファイナルは、セットスコア2対2から最終戦までもつれこむ、長き戦いであった。プレーオフでフルセットになったのは2017年のSummer Splitファイナル以来、実に4シーズンぶりのことである。

今回セミファイナルで対戦したのは、レギュラーシーズン2位のCrest Gaming Act(以下CGA)と3位のV3 Esports(以下V3)。しかしながら直近の直接対決では、V3がパーフェクトゲームに近い形でCGAに圧勝している。そして今回も、底力を見せつけたV3が最終的に勝利を手にした。ファイナルでは、レギュラーシーズン1位を果たしたDetonatioN FocusMe(以下DFM)に挑む。

試合終了後、勝利したV3からTopレーナーのPaz選手、MidレーナーのAce選手、そしてADCのYutorimoyashi選手という日本人選手3名にお話を伺うことができたので、さっそくご覧いただきたい。

 

寝る間も惜しんでひたすら練習に励んだ2週間

――セミファイナル勝利、おめでとうございます! まずは、感想から聞かせてください。

Yutorimoyashi「レギュラーシーズンを戦っていたときはDFMとCGAに苦戦しましたが、ファイナルには出場できると予想していたんです。実際にこうして勝つことができて、やっぱりプレーオフのようにプレッシャーのある試合は楽しいなって改めて思いました」

Paz「僕は昨シーズン、プレーオフに出られないのが初めてだったので、悔しいというか未知の体験でしたね。こんなに早くシーズンが終わるのか、っていう。だから来季は勝てるチームになっていなかったら辞めよう、と思っていたぐらいで……。だけど良いメンバーに恵まれて、おこがましいかもしれないけど自分も多少はチームに貢献できたと思いますし、僕の最低限の目標だったファイナル進出が達成できて嬉しいです」

Ace「昨シーズンは6位だったんですけど、今シーズンはセミファイナルでも勝つことができて本当に良かったです。個人的にはYutorimoyashiの豊富な経験を生かしたフィードバックが大きかったと思っています」

 

――この2週間、スクリム以外で何かいつもとは違う練習方法を取り入れていましたか。

Paz「僕はソロランクを普段よりたくさんやりましたね。あと、MidレーナーのAceとJunglerのBabyが、LJL 2部チームだったBowQen Blackbucks(以下BQB)時代に入れ替え戦で負けた相手がCGAだったんですよ。だから今日は、そのふたりのメンタルが崩れないように気を使っていました」

Ace「僕もソロランクを増やしましたね。対戦履歴を見たら、Luna選手もArt選手も朝の5~6時までランクを回していて。彼らは上手いにもかかわらずやってるんだから、こっちも絶対やらないと負けると思ったんですよ。寝ようかなと思っても、1試合でも多くやって相手より練習量が上回るようにしていました」

Yutorimoyashi「僕はどちらかというと考え方を整理したほうが上手くいくので、自分の普段通りの練習量をこなしてコンディションをつくってプレーオフに臨む、ということを考えていましたね。僕の場合、ソロランクをたくさん回すと手が痛くなってしまうんです。手が痛いとフィジカルに自信がなくなるので、そうならないように調整していました」

 

対戦相手のCGA、3人が共通して怖いと思っていたのは……

――そうして迎えたセミファイナルですが、試合前になにか特別に話したことはありましたか。

Ace「体力勝負だ、という話をしていました。僕は昨日の寝る直前に試合のことを考えていたんですけど、いつの間にかスッと寝ちゃって朝起きたらコンディションが万全だったんです。だから自分は体力を崩すことはないと思っていたけど、自分以外が崩れたら勝てないからそこだけお願い、と言っていましたね」

Paz「僕はどんなマッチアップでも自信があったんです。だからみんなにも自信のあるピックでお願いしたい、と言ってました。僕、2日前にKRサーバーでめちゃくちゃ上手いTopレーナーにボコボコにされたんですよ。CSが100対50とかで3回ソロキルされて。それを味わったので、それ以上苦しいことがないんですよ。少なくとも日本にあのレベルの選手は絶対いないなって思うので、それはファイナルも変わらないですね」

 

――そもそもCGAのことは、どのように見ていましたか。

Paz「Nap選手は使うチャンピオンがあまり多くないから、Topは予想しやすくてやりやすかったですね。あと、hachamecha選手の使うチャンピオンはTopガンクが来るタイプのものが少ないので、有利に進められるかなっていうイメージでした。僕、Topシェンもドクター・ムンドJungleも予想してたんですよ。逆にMidのピックが意外でしたね。ライズとかカサディンとか、ハードキャリーをやってくると思ってたんですよ。だから最後ルルでビックリしました。正直、Luna選手が一番怖かったんですけどね」

 

――それはAce選手も同じだったのでは?

Ace「そうですね。僕はカサディンは出てこないだろうと思ってましたが、それでもルルはめっちゃ意外でした。ルブランまでは読めてましたけど。あとパンテオンはLuna選手がやるのはもったいないと思っていたので、それも意外でした」

Yutorimoyashi「僕もLuna選手が怖いなって思ってました。レッドサイドをとったらピックでカウンターができるからそれがすごい怖かったんですけど、ふたを開けてみたらArt選手寄りのピックになっていて……。まあ1戦目で相手のパンテオンに対して僕らがモルデカイザーを当てて勝ったっていうのが、すごく大きいとは思うんですけどね」

 

――Yutorimoyashi選手はむしろ、4戦目のAtyamomo選手のノーチラスほうが怖かったんじゃないですか。

Ace「そうそう、Botレーン大丈夫かなって見るたびにノーチラスのQがエズリアルに直撃してて、あ、これはまずいんじゃないかなって(苦笑)」

Yutorimoyashi「まあ、結果的には大会が盛り上がって良かったんじゃないかな(苦笑)」


フルセットを制したV3、健闘した日本人選手たちの本音に迫る

――それにしても、長丁場で大変だったでしょう?

Ace「Bo5も初めてでフルセットも初めてだったので、疲れました。僕は3-1か3-0って予想してたんですけどね」

Paz「僕って試合になるとすごく喋るんです。スクリムでは基本的にJungleに指示を出さずに好きなようにやってくれみたいな感じなんですけど、試合のときは指示を出すんですよね。たとえばカバーしてとか、今からこのウェーブをつくるから絶対にダイブに来てとか。レーニングのときから喋るので、喉が疲れますね」

Yutorimoyashi「僕はそんなに気負うこともなくて、淡々とやってました。いつも通りやることが大事だと思っていたのでそこを崩さないようにやってたんですけど、4戦目でたぶん集中力が切れて崩れちゃって……。それが僕のなかで反省点ですね」

 

――それでも5戦目で上手く気持ちを切り替えられていたようだったので、やっぱりYutorimoyashi選手はさすがだなと思いました。

Yutorimoyashi「5戦目はどう対処すれば良いか明らかだったので、プレッシャーはありませんでしたね。結局CGA側はArt選手がキャリーできるゲーム展開にならないと勝てないので、Botレーンを狙ってくるのはわかっていたんですよ。それを僕が耐えちゃえば勝てるかなっていう感じでした。まあその心配も、結局レベル1のインベイドでなくなったんですけどね」

Paz「あの瞬間、勝ったなって思いましたよ。テレポートを押した瞬間、もうこれ全部キルできるぞ、って。相手がそのあと何をするかわかりきっているんですよね。フラッシュがないから僕が耐えて、JunglerがBotレーンに行くだけで勝つんですよ。だから気は楽でしたね、正直なところ」

 

――本当に素晴らしいプレイでしたね。ところでPaz選手は、チーム内で自分の役割ってどんなことだと思っていますか。

Paz「どんな状況でもひとり分の役割を果たすこと、だと思いますね。ガンクされたり不利なマッチアップだったりしても、相手に負けないぐらいの活躍ができるっていうのが強みです。でも今日は上手くできたところもありましたけど、僕のなかで納得のいかないところもあったので、10点満点中6.5点ぐらいだったと思っています。できて当たり前のことができなかったので、そっちのほうが問題ですね」

 

――あんなに活躍していたのに意外ですね。だとすると、一番活躍したのは誰だと思いますか。

Paz「Aceだと思います。Luna選手に押されませんでしたからね。一番怖かったのは、こちらのMidがやられて、相手Midがレーンを離れてずっとロームすることだったんですよ。主導権をとられている試合もあったんですけど、相手Midの姿が見えないっていう報告をずっとしてくれていて。結局僕らがデッドしなければ勝ちなので、Aceがよく耐えたなって思いましたね」

 

――Ace選手はシーズン中のインタビューでチャンピオンプールを増やしたいと話していましたが、そんななかでモルデカイザーは準備してきたピックだったのでしょうか。

Ace「そうですね、モルデカイザーはスクリムでもけっこうやっていたので。相手のピックがパンテオンだったから、じゃあモルデカイザーを出そうって感じでした」

 

――正直、アカリが空くと思ってました?

Ace「思ってなかったですね。ただLuna選手がルブラン上手いのはわかっていたので、そこでもしかしたらっていうのはありました。案の定アカリ対ルブランになったんですけど、それも結構スクリムでやってたんです。で、悪くないんですよ。きついんですけど、ファームできたら結局アカリが育ってゲームには勝てるってイメージしてたので、僕はデッドしないようにっていうのとCSを絶対とるっていうのを意識してやっていましたね」

 

――隠しているピックはまだあったりしますか。あるのなら、ファイナルで見られることを期待してしまうのですが。

Ace「……ありますよ(笑)。でも相手のピック次第なので、ファイナルで出せるかどうかはわからないんですよね。ただ、僕は対面のCeros選手にプッシュ勝ちしたらゲームには勝てると思っています」


「王者」DFMに挑む、ポイントは「柔軟性」と「キーチャンピオン」

――ファイナルについても、少しだけ聞かせていただきたいのですが。先ほどのファンミーティングにも大勢の方が詰めかけていましたし、期待している人も多いと思うんです。

Paz「今回、久しぶりに大きな会場でファイナルをやるじゃないですか。それはLJLファンの人が強く希望したことや普段から会場に大勢の人が来ていたこと、そういうことの積み重ねのおかげだと思うんです。あとV3は春はファンがあまりいなかったイメージなんですけど、夏は応援してくださる方が増えました。春から応援し続けてくれている人は前よりもっと応援してくれるようになりましたし、皆さんが嬉しそうにしてくれるとそれがモチベーションにも繋がります。ファンミーティングって勝つと人が多いんですけど、負けても来てくれる人がいるのが嬉しいですね。来年以降もV3でプレイしたいな、って思うようになりました」

 

――素敵ですね。ただ、ファイナルの相手はディフェンディングチャンピオンのDFMです。LJL屈指の強豪チームを相手に、どのように戦おうと考えていますか。

Ace「相手はTopもBotも強いメンバーだから、Mid、Jungleで勝てないとダメだと思っています。なので、僕はそこに集中して頑張りたいですね」

Paz「DFMってぶれないスタイルがあるじゃないですか。僕らはプレイスタイルがないのが売りだと思うんです。なんでも屋なんですよ。いけそうだと思ったらやる、っていうのが良いところだと思うので。今日のCGA戦もエリスやアカリは空かない前提で練習してきたけど空いたから使うっていう、そういう柔軟性が売りだと思うので、変に固執せずそれを強化できたらと思っています」

Yutorimoyashi「Pazの言うとおりDFMって決まったスタイルがあるので、僕としては読みやすいんですよね。あとBo5って、バンピックの流れみたいなものがあるんですよ。今日はエズリアルのWINレートがほぼ0%で、ザヤがほぼ100%でした。ファイナルでも、そういったキーとなるチャンピオンを先に見つけられたほうが勝つんじゃないかなと思いますね」

 

――なかなか興味深い話ですね。では最後にズバリ、自信のほどはいかがですか。

Yutorimoyashi「……できる!」


最後はBaby選手のお得意の決まり文句で締めてくれたYutorimoyashi選手。待望のファイナルは、9月16日(月・祝)にアリーナ立川立飛にて開催される。World Championship出場権をかけたV3とDFMの熱き戦いをお見逃しなく!

 

 

 

ライター:スイニャン