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生まれ変わったLJL。いよいよeSportsは“観せる”時代に突入

2019/01/24, 16:22 - BY RIOT GAMES

LJL

生まれ変わったLJL。いよいよeSportsは“観せる”時代に突入

2019年1月19日に「LJL 2019 SPRING SPLIT」が開幕しました。昨年末の12月26日に行われた発表会により、運営体制や大会の概要が大きく変わることになり、今回の開幕戦は、新体制を迎えてから最初の試合です。

運営面で大きく変わったのは、よしもとクリエイティブ・エージェンシーの参加。これによりライアットゲームズ、よしもとクリエイティブ・エージェンシー、プレイブレーンの3社による共同運営となりました。

大会概要としては、昨年まで6チームだったリーグに新たに2チームが加わり、全8チームとなった点が最大の変更点です。さらに2部リーグが廃止され、実質、この8チームがしばらくの間は固定されたチームとしてリーグを盛り立てていくことになります。参加チームが増えたことにより、新規参入のチームができたり、既存のチームも大幅にチームメンバーの入れ替えなどがあったり、体制、チームともに、まさにLJLが刷新されたと言って良いでしょう。

 

新規参入のAXIZ。

 

昨年はLJL CSに参加していたSengoku Gaming。

 

LJLに再参加したRascal Jester。

 

2016年設立のCrest Gaming Act。

 

昨年よりLJLに参加しているV3 Esports。

 

LoLを中心に活動するeSportsチームBurning Core。

 

2016年よりLJLに参戦しているUnsold Stuff Gaming。

 

昨年の覇者で世界大会Worldsでも活躍したDetonatioN FocusMe。

 

会場が変更され、より観客に向いた構成となったLJL

さまざまな改変があるなか、まず目に付く変更点といえば、会場がヨシモト∞ホールになったことです。単純に会場が変わったと言うことでは無く、いよいよeSportsを観戦するための施設を採用しました。これまでにもほかのゲームタイトルでは数百人単位で観客が入る会場で大会が開催されたことは多々ありますが、常設の、専用の会場で行うのは日本では、ほぼ初に近いと言えるのではないでしょうか。2年前までのLJLの決勝ラウンドでは、幕張メッセのイベントホールなどを使い、4000人以上の観客の前でプレイしたことがありますが、Finalのみで、レギュラーの試合は配信のみという扱いでした。

ヨシモト∞ホールは、半球のすり鉢状の客席となっており、どの席に座ってもステージが観やすいのが特徴です。普段は芸人が漫才やコントをやっている場所というだけあり、観戦しやすい会場です。ステージ上では選手が客席側を向いた2チーム分の10席が用意されており、この配置も、試合中の選手の様子がよくわかります。シートも仮設ではないので、長時間座っていても疲れにくく、腰が痛くならないのも嬉しいところです。実際、開幕戦では8試合が行われ、約10時間の長丁場となりましたが、必要以上に疲労感が出るようなことはありませんでした。

観客席はすり鉢状になっており、前の観客が邪魔になって見づらくなることもありません。どこから観ても観やすい設計となっています。

 

スケジュール通りに進行しやすいBO1を採用

大会の運営に関しても、観客が観やすくなる工夫を随所に施しています。今季から試合形式は各マッチ1戦のみのBO1方式で行われます。昨年までの2本先取のBO3方式ではなくなりました。BO3はBO3で、試合中の対応力や逆転劇などの楽しさや魅力がある対戦方式ですが、難点を言えば試合時間の計算がしにくさがあります。3回戦行ったとして、すべてが3戦まで行った場合と、すべてが2戦で終わった場合では、3試合の差ができ、1試合平均が45分だとすると、終了時間に実に2時間もの差ができてしまいます。BO1の場合、試合数に変動はないので、時間の計算がしやすくなるわけです。

開幕戦では8試合分のタイムテーブルを渡されていましたが、ほぼ時間通りに進んでいました。興行的に言えば時間通りに行うのは当然のことではありますが、多くのeSportsはそれができていないことが多く、時間が押しまくったり、インターバルが異常に長くなったりすることがあるわけです。つまり観客としては、観たいチームの試合の開始時間を確認しておけば、ほぼほぼ観戦できます。前倒しにより時間通りに到着しても間に合わなかったり、時間が押したことにより試合が始まる前に帰宅しなくてはならないような状態がなくなります。

試合が終了した後はヒーローインタビューがあり、会場のロビーでファンミーティングも行われていました。ファンミーティング自体は昨年から行われてしましたが、インターバルの間にきっちり行われ、試合と試合の間に観客が休憩をとれ、飽きさせることもなく、過ごせるようにしています。

あとはロビーにあるショップでは、よしもと芸人のグッズが販売していましたが、ここで選手やチームのグッズが売られるようになれば、完璧なのではないでしょうか。

試合後のヒーローインタビュー。新キャスターたちにも注目したい。

 

ロビーにある撮影スポット兼ファンミーティング会場。ファンと選手が直接コミュニケーションをとることができ、サインや握手、写真を撮らせて貰ったり、プレゼントを手渡したりしていました。

 

有料イベントとして相応しいプロの運営

試合の形式やチーム編成の改変など、さまざまな点が変更されたLJLですが、一番大きな変革となれば、観戦者がより楽しめる大会へと変貌したことではないでしょうか。今季から観戦は有料となり、試合数によって2000~3500円の代金がかかります。スポーツ観戦としても、ライブ観戦としても決して安くない料金を設定したとしても、それに見合う大会であれば、支払う価値があると言うわけです。ヨシモト∞ホールの席数は220席ですが、開幕戦のチケットは完売となりました。観戦可能なeSportsイベントとしては、席数が多い方ではないですが、常設の定期イベントとしては快挙と言える数字です。開幕戦という特別な日であると同時に、8試合が行われ、8チームが登場すると言うスペシャルな状態であったとは言え、それでもeSportsが観戦イベントに昇格した歴史的な日であることは間違いないでしょう。

このあたりは、劇場運営を長年行っているよしもとクリエイティブ・エージェンシーの手腕によるものなのでしょう。eSports興行としてはタイトルが面白いだけでは、成り立ちません。こういったイベント運営に強い会社が参入してくることはeSports業界にとって、本当に喜ばしいことです。また有料化したことと、スポンサーによるエコシステムによる結果、2シーズンの賞金総額も2700万円を実現することができました。選手やチームにとっても大きな恩恵を得られていると言えるでしょう。

観ている側としては、演出面などで不満がなかったとは言えないかもしれません。ただ、イベント運営のプロが対応している以上、試合を重ねていくうえで修正されていくことは間違いないでしょう。その対応力の高さも今後のeSportsを牽引していくイベントとして、期待できるところです。訪れる毎に快適さ、楽しさが増していくイベントになるハズです。

3つあるモニターはすべて同じ内容を表示。どの席からでも中央のモニターを視認できるので、欲を言えばサイドのふたつのモニターは別情報を流して欲しいところです。

昨年はeSports元年と言われて、eSportsという名前だけは耳にしたことがあっても、一般的にはいつ、どこで、誰がやっているのかわからない……そんな状態でした。渋谷のヨシモト∞ホールで毎週金曜日~日曜日にかけて、また、昼から夜にかけて行われていると言うのがわかる状態になっただけ、eSportsがぐっと近づいた気がします。お笑い芸人がテレビ中でしか存在していなかった関東近郊の若者たちに、劇場で観ることを根付かせたように、eSportsもライブで、現地で観ることが特別なことではないようになるための大きな一歩が踏み出されたのではないでしょうか。

 

ライター:岡安 学