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alleycat、その名前に違わぬ野良猫っぷり

2017/08/09, 18:00 - BY RIOT GAMES

LJL

alleycat、その名前に違わぬ野良猫っぷり

 USGに33%、RPGに41%、DFMに50%、そして7hに67%。

 RascalJester(以下RJ)が、試合前に勝者を予想する「Who Will Win」で週を追うごとに数字を伸ばしています。

 誰よりも激しくゲームを動かすWyverN、ひたすらターゲットバンを受け続けるLavie、シーズン終盤へ来て一気に存在感を増すBotレーン……と彼らが注目を受ける理由は山ほどあるのですが、Atyamomoとalleycatを併用するTopレーンにも、実は大きな独自性が潜んでいます。

 これまでのLJLでは、メンバーチェンジはどうしても「窮余の一策」という印象がありましたが、RJは個性や得意チャンピオンが違う2人をTopに置いての使い分けが機能しています。7th Heavenとの試合でも、2戦目から登場したalleycatが初戦の流れを断ち切って2連勝で逆転勝利しています。

 そんなことがどうして可能なのか、どんな効果があるのか、というかそもそもalleycatさんってMidじゃなかったっけ……などなど、RJのTop2人体制は不思議なことだらけ。そのあたりをalleycatさんに聞いてみました。


 

ロールチェンジしたのはつい最近?

(インタビュー開始前)

alleycat「勝ちましたねぇ、今日勝てると思ってました?」

Lillebeltコーチ「準備段階で、実は結構いけると思ってたよ。3試合目の構成みたときは勝ったと思ったし」

alleycat「そうっすかぁ。いやー勝てましたねぇほんと」

――すみませんお待たせしました。と、その流れにのって始めちゃうんですが、今シーズンのLJLでRJは一番変化しているチームだと思うんです。alleycatさん的にはそのあたりってどんな風に感じてますか?

alleycat「僕としては、やっぱり自分自身の変化が一番大きかったですね。立場もスターターからリザーブになって、ロールも変わって」

――そういえばTopにロールチェンジしたのっていつからなんでしょう。

alleycat「もうほんと最近です。Round5、とかかな? チームの状態を見ていて、TopのAtyamomo選手のパフォーマンスに波があったんですよね。そもそも今のうちのチームを考えると、Midが交代しなきゃいけない状態になったらもう正直どうやっても厳しい状態だから、それならTopの練習をしてバックアップした方がチームの役に立てるかなと」

――まだ転向して何週間かしか経ってないわけですか。こんなにすぐ新ロールに馴染んでいるのが驚きです。

alleycat「僕、実はあんまりロールへのこだわりってないんですよ。ほかと比べてMidがそこまで得意というわけでもなかったですし。今でこそランク戦ってロールを先に選べますけど、昔って選べなかったじゃないですか。だからどこでもいいよ、っていうか。チームにとって役に立つならどこでもやります」


 

「プライドがないのが僕の武器」

――とはいえ、経験豊富なプレイヤーたちを相手に回して戦うのは簡単じゃないと思うんです。なんでalleycatさんはこんなに短時間で適応できたんだと思います?

alleycat「プライドがないからじゃないですかね」

――というと?

alleycat「Topレーナーとしてのプライドとか、これが自分の得意チャンプ、っていうのが特にないんですよ。だから何を要求されても抵抗がないし、世界で流行ってるチャンプ、流行りそうなチャンプにすぐ乗っかる。LJLは世界のメタから外れたピックも多いけど、韓国とかのトップチームがピックしてるのには何か理由というか強さがあるわけだから、それをガンガン取り入れていく方がいいと思ってるんですよね」

Lillebeltコーチ「Atyamomoとの比較でいうと、Atyamomoはまだ若いのもあって、得意なシチュエーションにハマれば乗っていけるんだけど、そうじゃない場面が来た時に苦しむ。alleycatは爆発するわけじゃなくてもゲームのことはよくわかってるし、そういうタイプの違いはあると思ってます」

――自己顕示欲みたいなものってプロ選手のモチベーションの中で結構大きいのかなと思ってたんですが、alleycatさんの場合はそういうのは……。

Alleycat「ない方だと思います。僕のモチベーションは好きなゲームをして食べていきたいし、やるからには楽しく真剣にやりたい、という本当に単純なもの。やってて面白くなくなったら、プロ選手は続けられないと思いますから」

――かなりハッキリ意見を表明するタイプに見えるのですが、チーム内でも周りを引っ張る立場なんですか?

alleycat「あれ、そうですか? 自分ではそんな意識はあんまりないですね。ゲーム内では、実はそんなに要求をしたりする方ではないです。最年長なので、生活面はちょっと厳しく見てる部分があるかもしれないですけど。なんというか、ちょっと距離があるんですよね」

――チームメンバーと、ですか?

alleycat「遠慮というか、そうですね。入れ替え戦を勝ち抜いてきたメンバーが今のRJのコアなのは間違いないので、その時サブだった自分がチームの空気を変えていいのか、という躊躇は正直あります。まぁその距離感が悪いことだとは全然思っていなくて、自分の仕事に集中できるのでアリかなとは思ってるんですけど」

――ではチームでのalleycatさんの仕事、ってどんなことが頭にあるんでしょう。

alleycat「僕の仕事は簡単で、メタを取り入れること、あとはマッチアップ通りにレーニングすること。勝てる相手には勝って、耐える相手には耐える。それさえすればあとは仲間がやってくれるので、それを信頼して自分のことに集中してます」


 

WyverNの成長はTakiの影響が

――その信頼の形は興味深いです。チームの中心は誰なんですか?

alleycat「よくもわるくも、WyverN選手ですね。ゲーム理解度についてはチームの中でも彼が頭ひとつ抜けてるので、その点では全面的に信頼してます。ただ精神的にはまだ年齢相応な部分があって、気分が乗ってない時はほんとにだめだめです(笑)。でも今シーズンはゲーム内の戦術も彼中心で決めていて、冴えてる時は本当にすごいんでゲーム中に彼の精神状態には気を配ってるんですよ」

――今シーズンのWyverNさんが大きく変わったのは見てても感じます。何かきっかけってあったんですか?

alleycat「Takiくんの影響が大きいのかなぁ」

――ああ、Takiさん(現Longzhu GamingのRascal)。前シーズンの終盤は1人で試合を破壊してましたよね。あれは強烈でした。嵐のようでした(笑)。

alleycat「Takiくんはほんとにすごくて、日本にいる間、LoLをするか寝るかお風呂入るか、それ以外の時間って見たことないんですよ。ご飯食べるのも試合の待ち時間とかで食べてて。練習に対する姿勢が僕がこれまで見た選手の中でもダントツでした」

――そのTakiさんからWyverNさんはどんな影響を受けたんですか?

alleycat「一緒に練習してた期間は短かったですけど、練習後とかにずっと2人で話し込んでたんですよね。まぁほとんどはTakiくんがWyverNにかなり強い口調で教えたり要求したりしていて、そこで学んだ部分は大きかったんだと思います」

――alleycatさんは今Takiさんと同じTopレーナーですけど、何か参考にしてる部分とかありますか?

alleycat「彼は本当にゲーム全体を見るのがうまくて、レーニング中でもMidの細かい部分とかまで見えてるんです。多分それは、何も考えなくてもTopでの操作を完璧にこなせるから頭に余裕があったっていうことなんじゃないかなと思ってて、僕が今目指してるのはそこです。今はまだTopに慣れていないっていうのもあって、他のことを意識できない瞬間が出ちゃうんですよね。それを改善したい」

――あの強烈なレーニングをしながら他の場所まで見ていた、と……。たまに連絡をとったりしてるんですか?

alleycat「とってますよ。この間Yukiの誕生日だったんですけど、その時はグループLINEで『おめでとう!』って送ってくれましたしね(笑)」

 

 alleycat、というサモナーネームの意味は「野良猫」です。

 チームの中で距離があると自ら言いながら、ふとした瞬間には信頼を、また別の瞬間には親しみを滲ませて絶妙な関西弁で話す姿は、ちょっとしたカルチャーショックでした。たしかに距離をつめればつめるほどうまくいくとは限らないのが、人間関係の常。でもなかなか「距離がある」と発言するのは勇気がいることです。

 ベストの形はチームによっても選手の個性によっても違うのだということを、その“野良然”とした空気に教えられました。

 

インタビュアー:八木葱