ONにすることにより試合結果を表示することができます。

天真爛漫Paz、「日本の『LoL』シーンを盛り上げられる選手になりたい」

2017/08/08, 18:00 - BY RIOT GAMES

LJL

天真爛漫Paz、「日本の『LoL』シーンを盛り上げられる選手になりたい」

Topにポジション変更後、生かされたJunglerとしての経験

 天真爛漫……“飾らず自然のままの姿があふれ出ているさま。生まれつきの素直な心そのままで、明るく純真で無邪気なさま。”(新明解四字熟語辞典より引用)

 DetonatioN FocusMe(以下DFM)のTopレーナーPazについてこう表現したのは、同僚の韓国人選手viviDだ。もちろん基本的に異論はないのだが、ひょっとしたらまだ知られざるPazの意外な面があるのではないだろうか。そう考えた筆者は今回、彼の考えを探るべくさまざまな質問を投げかけてみた。まずはこの日の試合についてである。Pazはチョ=ガスを2回ピックした。

「チョ=ガスって序盤にデッドしやすくて、練習でもだいたいレベル3で1回デッドするんですけど、今日はすごく丁寧にプレイできて、デッドしなかったので満足しています。個人的にはやりたいチャンピオンがいくつかあるんですが、気づいたらタンクが出ていてコーチが“これTopね”って(笑)。僕チョ=ガスの勝率すごく高いんですけど、楽しくないんです。チョ=ガスの“捕食”は作業なので。まあでも相手がデッドするのが見られるので、楽しい作業ではありますね(笑)」

 昨シーズンはJunglerを担当していたが、今シーズンからはかつてプレイしていたTopに戻っている。

「僕、いろいろとテストをしたんですよ。それでそのときに、“正直TopでもJunglerでもいいので勝てるロースターになるようにお願いします”みたいなことを言っていましたね。ポジションのこだわりはありませんでした。そんなときにStealの応募が来て。彼はヨーロッパにいたのでこちらのレートはあまり高くなかったんですが、上手い選手だってことでチームに合流して、僕がTopになりました」

 以前インタビューで、「Topとして自分にはこれ以上伸びしろがない」と語っていたこともあったが、その点についてはどう考えているのだろうか。

「今はJunglerの気持ちを考えてTopをやるようになりましたね。自分が押せていたら相手サイドのジャングルに、敵が来ている可能性があったらこちらサイドのジャングルにワードを置くようにしています。カウンタージャングルをするときもコミュニケーションをとって、自分が行けるかどうかも考えていますね。でもStealはもともとレベルの高い世界でプレイしてきた選手なのでそれが当たり前だと思っている感じで、僕のことは“そつなく仕事をこなしているな”程度に見ているんじゃないですかね(笑)」

 

ライバルRampageとの直接対決を目前に控えて

 今シーズン、Topレーナーとしてしっかり成長を遂げてきたPaz。次回、ついにRound10でライバルRampage(以下RPG)との直接対決が控えている。

「RPGに負けることは考えていません。僕、夏に勝てるんですよ。春にジャングルやっていたときは毎回負けて、夏にTopで勝っているので今回も勝てるだろうみたいな軽い気持ちですね。レーンは僕いくら負けても良いんですよ、チームが勝てれば良いので。日本のチームって集団戦に重きを置いているチームが多くて、RPGってとくにそうだと思うんですよ。個人のレーンの強さよりも、チーム全体がどれだけうまくやれるかの戦いになるかなって思います」

 PazはもともとRPG所属だったが、やはり古巣に対する特別な思いはあるのだろうか。

「負けたくないですね。TussleとはRound5で対戦する前も仲良く話していましたけど、意識していないわけはないです(笑)。今のRPGの土台を築いたのってTussleとDaraなんですよ。なので、RPGを意識しているというよりはあのふたりを意識していますね。RPGってあのふたりがゲームを動かしたら勝ちますし、あのふたりがうまくできなかったら結構負けちゃうんですよね」

 しかし、相手はJunglerとSupportだ。TopとしてPazができることは限られている。

「人読みになっちゃうんですけど、彼らが何を考えているかとか、何をピックするかとかがわかるんですよ。そもそも僕、LJLでもだいたい何をピックするかってわかるんです。この人何を考えているのかなって考えながらプレイしているからか、ほかのチームのときでもけっこう当てるんですよね。とくにTussleとDaraは僕と一年間いっしょにプレイしてきて、勝っている試合も負けている試合も接戦の試合も全部いっしょにやったのでわかるんです」
 

 

DFMが重視しているのは「コミュニケーション能力」

 対戦相手の研究という意味では、ある程度準備ができていると言えるのかもしれない。ならば、残るは自分たちの準備である。

「僕は今、“コミュニケーション能力”を重視しています。今シーズンで唯一負けたのが7th heaven(以下7h)戦だったんですけど、チーム全体的にもそうでしたが僕自身も全然喋っていなくて。コミュニケーションがとれていなかったから、ゲームも上手くいかなかったんです。とくに問題になったのが、僕が負けているときにあまり喋れなくなる傾向があって、逆に喋れているとチームが上手くいっているし勝っている状態なんですよね」

 さすがのPazも落ち込んで無口になってしまうということかと思ったが、どうもそうではないらしい。

「昔からの癖で“フィーダーは黙る”みたいなのがあって(笑)。ノーマルとかデュオとかで何度もデッドして逆に相手を育ててしまったような奴が、あれしようこれしようって言ってもまず自分をどうにかしろよって感じじゃないですか。プロゲーマーになる前の経験からそういう深層意識があったのか、負けているときは聞かれたことに答えるぐらいで、自分はどうするか言わないで敵の動きの状況報告だけしている感じだったんです」

 Pazがその癖に気づけたのは、チームスタッフのおかげだという。

「試合中のボイスチャットを研究していたチームスタッフから、負けているときに僕が喋らなくなっていると指摘されて。じゃあ意識しようって思って、最近は喋るようにしています。PCにも貼ってあるんですよ、“負けているときこそ喋る”って(笑)。そもそもLJLの試合もスクリムも自分が負けていることがほとんどなかったので、7hに負けてから発覚した事実でしたね。でも僕がそれをやるようになってから、チーム全体でも“デッドしたら盛り上げる”みたいな風潮が出てきて(笑)。結果的に、チームの雰囲気がとても良くなっています」

 

「競技シーンを目指している人の目標とされる選手になりたい」

 確かに、最近のDFMからは雰囲気の良さがにじみ出ている。とくにPazといえば、ペンタキルを逃したときの映像が衝撃的であった。「俺のペンター!!」と叫んでいたそうだが、普段からあんな感じなのだとPazは言う。

「自分で言うのもなんですけど、いつも元気なんですよ。やっぱり人生楽しく生きたいので、楽しんだ結果、あのリアクションが出てしまったっていう感じです(笑)」

 その割には、ひとり静かに食事を楽しんでいる様子をたびたびSNSに上げているのが気になる。

「誰かとご飯を食べるときにSNSに画像を上げるのは好きじゃないんです。だから、誰かとご飯を食べているときは画像を上げていないというだけです。ひとりで行ったときに、その寂しさを埋めるためにSNSに上げて自己満足していますね(笑)。そうするとリプライが来るじゃないですか。それで“ひとりじゃないんだ”、みたいな(笑)。ひとりで食事をするのも抵抗はないんですけど、誰かと行くほうが好きなので」

 基本的にどんな質問を投げかけても、ポジティブな発言しか出てこない。もう直接的な質問をするしかないということで、悩んだり落ち込んだりすることはないのか聞いてみた。

「その日の夜は落ち込みますけど、1日経てば治ります。7hに負けたときとか、“俺が上手くやっていたら……”って思いながら寝て、起きたら“まあ負けたし仕方ないか”って普通にご飯食べに行っていましたね。春のファイナルで負けたときも、とりあえず落ち込んでいても仕方ないみたいな感じで仲のいい友達とみんなでご飯行ったんですけど、そこの店にラムネがあって全員頼みだして(笑)。“お前も飲めよ、これ飲んだらRamune倒せるぞとか”言ってきて、“いやもう負けたわ”って落ちこみながら食べていました。でも次の日になったら、“まあ終わったから仕方ないか”みたいな感じでしたね」

 降参である。ストレスの多い現代社会においてこれだけ素直で明るくポジティブなら、やはり「天真爛漫」と言って間違いないのではないだろうか。最後に将来の目標について聞いてみたところ、eSportsに携わる者としてこちらまで元気をもらえるような答えが返ってきた。

「やっぱり目標にされるような選手になりたいですね。競技シーンを目指している人がこの人を目指そうと考えるのって、よっぽどだと思うんです。あと僕自身が楽しむタイプなので、『LoL』全体をもっと盛り上げて楽しくなったらなって思いますね。プレイやファンミーティングなどを通じて、日本のシーンを盛り上げられる選手になりたいです!」
 

ライター:スイニャン